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09月11日-04号

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  1. 福山市議会 2019-09-11
    09月11日-04号


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    令和 元年第4回( 9月)定例会          令和元年第4回福山市議会定例会会議録(第4号)          ───────────────────────2019年(令和元年)9月11日(水) ────────────────── 議 事 日 程 (第4号)2019年(令和元年)9月11日           午前10時開議第 1        会議録署名議員の指名第 2 議第133号 平成30年度福山市病院事業会計決算認定について    議第134号 平成30年度福山市水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について    議第135号 平成30年度福山市工業用水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について    議第136号 平成30年度福山市下水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について    議第137号 令和元年度福山市一般会計補正予算    議第138号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例等の一部改正について    議第139号 福山市職員の分限に関する条例等の一部改正について    議第140号 福山市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定について    議第141号 福山市税条例等の一部改正について    議第142号 福山市離島振興対策実施地域における固定資産税の課税免除に関する条例の制定について    議第143号 福山市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について    議第144号 福山市幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例及び福山市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について    議第145号 福山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について    議第146号 福山市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について    議第147号 福山市立認定こども園条例の一部改正について    議第148号 福山市印鑑登録及び証明に関する条例の一部改正について    議第149号 福山市都市公園条例の一部改正について    議第150号 福山市水道給水条例の一部改正について    議第151号 福山市消防団条例の一部改正について    議第152号 福山市立東小学校北棟校舎改築工事請負契約締結について    議第153号 福山市立神辺中学校特別教室棟校舎改築工事請負契約締結について    議第154号 (仮称)福山市駅家西交流館新築工事請負契約締結について    議第155号 (仮称)福山市総合体育館建設工事請負契約締結の変更について    議第156号 (仮称)福山市総合体育館建設電気設備工事請負契約締結の変更について    議第157号 (仮称)福山市総合体育館建設空気調和設備工事請負契約締結の変更について    議第158号 (仮称)福山市総合体育館建設給排水衛生設備工事請負契約締結の変更について    議第159号 市道路線の認定について第 3        一般質問 ────────────────── 本日の会議に付した事件議事日程のとおり ────────────────── 出 席 議 員      1番  喜 田 紘 平      2番  宮 地   毅      4番  宮 本 宏 樹      6番  奥   陽 治      7番  平 松 正 人      8番  石 口 智 志      9番  能 宗 正 洋     10番  石 岡 久 彌     11番  河 村 晃 子     13番  生 田 政 代     14番  連 石 武 則     15番  門 田 雅 彦     16番  藤 原   平     18番  榊 原 則 男     19番  岡 崎 正 淳     20番  土 屋 知 紀     21番  大 田 祐 介     22番  今 岡 芳 徳     23番  西 本   章     24番  中 安 加代子     25番  高 田 健 司     26番  五阿彌 寛 之     27番  塚 本 裕 三     28番  熊 谷 寿 人     29番  池 上 文 夫     30番  高 木 武 志     31番  宮 地 徹 三     33番  法 木 昭 一     34番  稲 葉 誠一郎     35番  早 川 佳 行     36番  小 林 茂 裕     37番  川 崎 卓 志     38番  村 井 明 美     39番  徳 山 威 雄     40番  小 川 眞 和 ────────────────── 欠 席 議 員      5番  八 杉 光 乗     17番  大 塚 忠 司     32番  瀬 良 和 彦 ────────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長      枝 廣 直 幹  副市長     中 島 智 治  副市長     杉 野 昌 平  市長公室長   中 津 雅 志  企画財政局長  岩 田 知 也  企画政策部長  中 村 啓 悟  地域活性化担当部長          岩 本 信一郎  財政部長    花 村 祥 之  財政課長    塩 飽   淳  税務部長    岡 田   修  総務局長    小 林 巧 平  総務部長兼選挙管理委員会事務局参与          藤 井 康 弘  防災担当部長  片 岡 伸 夫  総務課長    高 田 幸 恵  福山市立大学事務局長          渡 邊 寛 子  経済環境局長  塚 本 裕 之  経済部長兼福山駅前再生推進部参与兼農業委員会事務局参与          岩 木 則 明  企業誘致推進担当部長          村 上 弘 和  文化観光振興部長小 林 仁 志  文化観光振興部参与          兼 定   孝  環境部長    清 水 直 樹  保健福祉局長  神 原 大 造  福祉部長兼福祉事務所長          梶 山   泰  長寿社会応援部長落 合 史 典  保健所長兼保健部長          田 中 知 徳  保健部参与   内 田 咲百合  児童部長    住 元 利 博  ネウボラ推進担当部長兼保健部参与          住 吉 悦 子  市民局長    小葉竹   靖  まちづくり推進部長          渡 辺 慎 吾  まちづくり推進部参与          安 原 洋 子  スポーツ・青少年女性担当部長          佐 藤 哲 郎  市民部長    太 田 雅 士  松永支所長   中 川 善 友  北部支所長   今 川 真 一  東部支所長   浦 部 真 治  神辺支所長兼川南まちづくり担当部長          矢 野 隆 正  建設局長    小 川 政 彦  建設局参事   大 谷 琢 磨  建設管理部長  三 谷 正 道  土木部長    市 川 清 登  農林土木担当部長香 川 哲 也  都市部長兼福山駅前再生推進部参与          神 田 量 三  都市部参与   鈴 木   裕  福山駅前再生推進部長          池 田 圭 次  建築部長    渡 邉 桂 司  会計管理者   池 田 浩 己  教育長     三 好 雅 章  教育次長    佐 藤 元 彦  教育委員会事務局管理部長          金 尾 直 樹  学校教育部長  田 丸   誠  代表監査委員  近 藤 洋 児  上下水道事業管理者上下水道局長事務取扱          渡 邉 清 文  経営管理部長  卜 部 光 央  工務部長    柚 木 紀 生  施設部長    鴫 田 佳 樹  病院事業管理者 高 倉 範 尚  市民病院管理部長北 川 雄 嗣  医療支援センター副センター長          村 上 寿 広  消防担当局長  藤 井 徹 太  消防担当部長  西 頭 智 彦  消防担当部長  吉 澤 浩 一  消防担当部長  本 瓦 公一郎  消防担当部長  佐 藤   充 ────────────────── 事務局出席職員  事務局長    佐 藤 洋 久  庶務課長    恵 木 朱 美  議事調査課長  表   宏 哉  議事担当次長  藤 井 英 美  調査担当次長  渡 邉 美 佳  書記      木 村 仁 美  書記      井 関 知絵子  書記      芦 原   孝  書記      山 村 由 明  書記      伊 能 陽 介  書記      高 橋 弘 人 ──────────────────            午前10時開議 ○議長(早川佳行) これより本日の会議を開きます。 ────────────────── ○議長(早川佳行) ただいまの出席議員35人,欠席の届け出のあった議員は,5番八杉光乗議員,17番大塚忠司議員及び32番瀬良和彦議員であります。 ────────────────── △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(早川佳行) これより日程に入ります。 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は,会議規則第76条の規定により議長において,18番榊原則男議員及び20番土屋知紀議員を指名いたします。 ────────────────── △日程第2 議第133号 平成30年度福山市病院事業会計決算認定についてから議第159号 市道路線の認定についてまで及び日程第3 一般質問 ○議長(早川佳行) 次に,日程第2 議第133号平成30年度福山市病院事業会計決算認定についてから議第159号市道路線の認定についてまでの27件を一括議題とし,これに対する質疑及び日程第3 一般質問を行います。 30番高木武志議員。 (30番高木武志議員登壇)(拍手) ◆30番(高木武志) 日本共産党の高木武志です。第1回目の質問をさせていただきます。 市長の政治姿勢について。 核兵器禁止条約の批准を政府に求めることについて伺います。 核兵器禁止条約の批准は,世界で26カ国に広がりました。この条約は,50カ国目の批准書が国連事務総長に寄託されて90日後に発効します。被爆者団体の代表らは,安倍総理大臣に核兵器禁止条約に署名,批准し,発効を推進するよう要望しています。世界で唯一の戦争被爆国である日本は,核兵器禁止条約を批准してほしいという思いは国民共通の思いではないでしょうか。福山市も,これまで核兵器禁止条約の批准について,日本非核宣言自治体協議会を通じ国に要望してきました。 しかし,アメリカのトランプ大統領が使える核兵器の開発などに踏み出し,INF,中距離核戦略全廃条約から一方的に離脱する中で,ロシアも対抗して核兵器の先制使用や新型核兵器の開発を進めようとしています。核兵器を持つインドとパキスタンの軍事緊張が高まるなど,核兵器の使用が懸念されます。核兵器禁止条約の発効を急がなくてはなりません。 来年,被爆75年原水禁世界大会がニューヨークで開かれます。日本政府が核兵器禁止条約を批准することは世界への大きなアピールとなり,禁止条約発効の大きな力となるものです。重ねて政府に対し核兵器禁止条約の批准を強く求めてください。御所見をお示しください。 消費税増税について伺います。 総務省は,テレビ,新聞を通じて消費税10%への増税について宣伝を行っています。さきの参議院選挙でのNHK出口調査では,消費税増税に反対が57%,賛成は43%です。最新の世論調査でも反対が多数であり,増税反対の国民の意思は明確です。 1989年に消費税が導入されて以来,増税と引きかえに法人税が減税されてきました。片や,当然ふやすべき社会保障費を削減してきました。31年間の消費税収は累計で396兆7000億円であり,一方,法人三税の減収額は297兆8000億円で,国税の法人税だけ見ても210兆1000億円の減収です。法人税収を空洞化させているさまざまな税制措置の恩恵を受けているのは,専ら大企業です。中小企業などは,景気後退などの影響を受けており,その影響額は49兆6000億円と言われています。消費税の増税をやめ,政治の責任として所得再分配が行えるよう,大企業優遇税制を改め,大もうけを上げている大企業から応分の負担を求めるべきです。 総務省の調査によると,消費税率10%の場合,平均年収251万円の高齢者世帯では負担額24万1189円で負担率9.61%,平均年収1418万円の高所得世帯では負担額51万3407円で負担率3.62%となり,逆進性の高さは顕著です。消費税10%への増税により,一層格差と貧困が広がることになります。 7月までの商業販売額は,昨年12月以来8カ月連続で減少するなど,国内景気は悪化し,米中間の貿易戦争など,世界経済のリスクも一層拡大しています。さらに,複数税率対応のレジ機器導入が間に合わない商店も多く,ポイント還元でも混乱は必至です。このまま増税に突っ込むなど無謀きわまりないと,5野党,会派は消費税増税をめぐって国会での閉会中審査を与党に要求しました。安倍政権に増税中止を迫る世論と運動が日に日に広がっています。増税中止を政府に求めるべきです。御所見をお示しください。 国民健康保険事業,国保税引き下げについて伺います。 広島県内で19年度の国保税を引き上げた自治体は53%であり,東京,大阪に次いで3番目に多くなっています。広島県は,大都市と肩を並べるほど国保税を引き上げました。広島県が統一化を目指しているからこそ,そうした結果になっています。毎年の国保の引き上げに加入者の不安も高まっています。国保財政は黒字であり,国保税引き下げは財政調整基金で十分対応できます。予算編成に向けて,国保税を引き下げるよう求めるものです。御所見をお示しください。 一部負担金の減免制度の拡充について伺います。 福山市国民健康保険一部負担金の免除要綱では,第3条で,免除等の対象として次の各号のいずれかの事由に該当すること,生活が一時的に著しく困難となり,一部負担金の支払いが困難と認められる場合に免除等を行うことができるとされています。 昨年8月,札幌高等裁判所は,札幌市が国民健康保険の一部負担金の減免申請を却下したことは違法として争われた裁判で原告勝利の判決を出しました。判決の中で裁判長は,一部負担金の減免の制度は経済的に困窮する者も療養の給付を受けることができるようにするという社会保障としての意義を有するものであると判断を示しました。恒常的に生活することが困難な者も一部負担金の支払いが難しいことは明らかです。福山市は一部負担免除の対象に生活保護基準以下の世帯を含めたものとするよう求めるものです。御所見をお示しください。 資格証明書について伺います。 資格証明書は,市長が国保税を支払えない特別の事情として認めれば制裁措置から除外され,発行されません。特別の事情は自治体の判断で行えるものです。2000年11月27日の全国生活と健康を守る会連合会と厚生労働省の交渉では,自治体が決めれば生活保護基準以下も特別の事情に入れてよいと回答しています。福山市として,生活保護基準以下の世帯は特別の事情とし,資格証明書を発行しないことを求めるものです。御所見をお示しください。 子どもの均等割の減免について伺います。 本市では,18歳以下の子どもが2人以上いる法定軽減世帯を対象に,2人目以降の子どもについて均等割の2割を軽減しています。しかし,依然として高い国保税は,子育て世帯の生活を圧迫しています。 6月議会の答弁では,均等割を全額免除するために約3000万円が必要とのことですが,財政調整基金で対応できます。政府も,法定軽減世帯の対象を拡大し,低所得者対策を行ってきました。福山市でも法定軽減世帯の子どもの均等割を免除することを考えるべきです。さらに,全ての子育て世帯に対象を広げることを求めるものです。御所見をお示しください。 介護保険制度について伺います。 8月29日,厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会は来年の介護保険法改正に向けた議論を開始しました。検討項目として,訪問介護の生活援助利用を要介護3以上に限定する,利用料2・3割負担の対象者拡大,ケアマネジャーのケアプランの有料化,施設入所者の居住費,食費の自己負担や高額介護サービス費の引き上げなど,負担増,給付抑制がめじろ押しです。 この間,介護保険は制度見直しのたびに改悪です。2017年,要支援1,2の人の訪問介護と通所介護は市町村の介護予防・日常生活支援総合事業に移行し,介護給付から外しました。2018年10月から導入された訪問介護の生活援助を含むケアプランの届け出制は利用抑制に拍車をかけるなど,政府の介護の実態を無視した利用制限ありきの施策は目に余ります。 今,介護の実態は,老老介護やシングル介護,遠距離介護などが増加し,介護離職や虐待は後を絶たず,介護殺人,心中まで起きています。そのような現実を改善するはずの介護保険制度は,充実どころか後退の一途をたどっています。 認知症の人と家族の会の花俣常任理事は,これ以上の負担増,給付抑制が進めば私たちの生活と介護は成り立たなくなる。絶対に認められないと強調しています。 要介護1,2の人の訪問介護の生活援助を介護給付から外すことは,介護や認知症の重度化を招きかねません。市内に住む要介護2の認知症の女性は,ヘルパーによる掃除や調理,服薬管理など日常生活全般の支援を受けることで在宅生活が継続できています。担当のケアマネジャーは,専門的な継続支援があってこそ日々の変化に気づき,適切な支援ができる。生活援助を介護保険から外すことは高齢者の生きる意欲を奪いかねないと憤ります。今後要介護1,2の人が訪問介護の生活援助が利用できなくなった場合,高齢者へどのような影響を及ぼすとお考えでしょうか,お答えください。また,本市の要介護1,2の認定者の生活援助の利用者数についてお答えください。 介護サービスの利用抑制や負担増は,認知症になっても生きがいを持って暮らせるようにうたった国の認知症対策大綱や福山市の認知症施策の推進にも大きく逆行しています。国に対し,要介護1,2の人の介護給付外しや利用者負担増は行わないことを要望することを求めます。御所見をお示しください。 保育行政,給食費の実費徴収について伺います。 10月からの幼児教育・保育の無償化に伴い,3歳から5歳児の副食材料費が新たに実費徴収されることになります。国は,給食の食材料費はこれまでも実費徴収,または保育料の一部として保護者が負担してきた。従来と負担は変わらないとの見解です。 しかし,これまで副食材料費は実費徴収の対象になっておらず,給食は保育の一環として公定価格に含まれていました。田村和之広島大学名誉教授は,副食材料費が保育料の一部として保護者負担となっていたことは,政府が突然言い出したこと。子ども・子育て支援法27条3項1により,保育所の公定価格は保育に通常要する費用の額を勘案して内閣総理大臣が定める基準の額とされており,副食材料費を勘案しない公定価格の改定は違法であると指摘しています。 しかも,国は,実費化に伴う副食材料費の積算単価は5188円と突如言い出し,3歳から5歳児の公定価格を5090円引き下げると通知しました。これまで保護者からの実費徴収額は4500円程度と説明しながら公定価格を5090円も減額することに,地方自治体や各保育施設は混乱しています。差額分を保育所が負担することになれば,子どもたちの教材,施設整備,あるいは職員の人件費に影響を及ぼしかねません。副食材料費は公定価格に含め,実費徴収は中止するよう国に要望することを求めます。御所見をお示しください。 児童福祉法24条1項により,市町村は,保育の実施責任を私立保育所に保育事務を委託することによって履行しています。その保育内容には給食の提供も含まれています。給食費は保育に通常要する費用であるならば,福山市は国の減額した公定価格の額をそのまま委託費の額とするのではなく,副食材料費の実費相当額を委託費とすることは可能と考えます。市長の認識をお示しください。 東京都荒川区や兵庫県明石市などは,保護者に新たな負担をさせないために,独自に委託費へ3歳から5歳児の副食材料費を含める予定とのことです。現在,副食材料費の無償化等を検討しているのは,広島県内では安芸高田市や府中市,神石高原町など7自治体,そのほかに秋田県や東京都内の18区,長野県塩尻市などで,検討中の自治体はふえています。 福山市としても,これまでどおり給食費用を含めた3歳から5歳児の委託費を設定し,副食材料費を保護者から徴収しないことを求めます。御所見をお示しください。 また,その場合の対象人数と所要額についてお示しください。 認可保育所の拡充について伺います。 今,全国的に待機児童の増加は深刻な問題です。本市の待機児童数は,2017年10月,52人,2018年10月,17人,2019年4月1日時点は10人です。それ以外にも,兄弟が同じ保育所に入れない,認可保育所に入れず小規模保育施設の利用になったなど,潜在的待機児童は常態化しています。また,毎年4月時点の私立保育所の充足率は95から97%を推移し,年度中途には定員超過で児童を受け入れているのが実態です。 今後,幼児教育・保育の無償化により保育需要は伸び,認可保育所への入所希望が大きくふえる可能性があります。現在,福山市は2020年度からの第2期福山市子ども・子育て支援事業計画を検討している最中ですが,待機児童解消だけでなく,保護者が希望する保育所に入所できるよう,抜本的に公立保育所及び認可保育所の拡充をするべきであります。御所見をお示しください。 保育士配置基準の拡充について伺います。 深刻な保育士不足を解消するには,賃金の引き上げとともに厳しい労働条件の改善が求められます。東京都の2018年保育士実態調査によると,保育士の退職理由は,給料が安いとともに仕事量が多い,労働時間が長い,休暇が少ないなどが多くなっています。保育士の処遇改善のためには,実態とかけ離れて低くなっている保育士配置基準を引き上げるべきです。 福山市は国基準に従って1歳児は6対1ですが,埼玉県や長野県,愛知県知立市,長久手市は4対1になるよう県や市が独自加配をしています。福山市も同じように4対1の保育士配置を行った場合に必要となる保育士数と所要額についてお答えください。 労働条件改善や保育の質確保のため,国に対し配置基準の引き上げを求めるとともに,独自に基準を手厚くすることを求めます。御所見をお示しください。 建設行政について,福山道路建設計画について伺います。 市長は,9月議会冒頭の総体説明で福山道路の整備促進について言及されました。この計画に関して,国土交通省中国地方整備局は,平成29年度事業再評価結果を公表しました。これは,公共事業が効率的になされているのかどうか評価するため費用便益分析を行ったもので,計画の費用とそれによる便益の比較から計画推進の可否を判断するものです。 国土交通省中国地方整備局の資料では,福山道路の3.3キロメートル区間のうち,事業全体の総便益は524億円と示されています。対して,事業全体に係る事業費は274億円,維持管理費は15億円とされ,事業全体の便益は総事業費を総費用で除した値で1.8となります。この指標に関して,先般我が党は国土交通省へヒアリングに行きました。そこでの説明では,この1.8という数値は今回事業化した3.3キロメートル区間のみでしか算定されていないとのことでした。 市のホームページによると,そもそも福山道路は東西方向の連絡強化,交通混雑の緩和になることが期待されるとして,全延長は16.5キロです。3.3キロメートルの事業区間が供用されたとしても,単独では行きどまりとなり,バイパス機能はありません。仮に福山沼隈道路が接続したとしても,その終端は福山市街に流入し,結局は現国道2号線の新たな負荷となってしまいます。また,倉敷福山道路も現在は局所的な供用のみで,全通の具体的見通しがないため,バイパス機能はありません。仮に架空のネットワークを対象として試算した結果費用便益比が1.8となっているのであれば,この数値には根拠がありませんが,御所見をお示しください。 次に,渋滞損失時間について伺います。 6月議会本会議の答弁では,渋滞ランキングの区間は,国が実施する全国道路・街路交通情勢調査の区間を用いており,調査は5年ごと,道路状況に合わせて区間を設定している,渋滞ランキングは経年で比較するためのものではなく,その年々に国道2号のどこが渋滞しているかを把握するためのものとの答弁でした。 この渋滞ランキングに福山市内の国道2号の区間がランクインしているとして,福山市のホームページに“ぶち混む”ふくやまの道路事情との連続記事があります。しかし,このランキングは1キロメートル区間といった単位キロメートル当たりであらわしていないため,全国比較ができません。このことを指摘すると国交省本省は,指摘は確かに,そのような議論はあると,表現の不正確さを認めていました。 第7回“ぶち混む”ふくやまの道路事情には2018年の渋滞ランキングが掲載されており,市内の国道2号区間が2位と4位になっています。ところが,延長区間がそれぞればらばらなため,1キロメートル当たりで比較するとランキングは変わります。そもそも,全国の渋滞比較であれば,少なくとも渋滞区間の距離は統一しなければ客観性は担保されず,福山市が啓発することは問題です。正確で誰が見ても納得のいく情報に改善すべきですが,御所見をお示しください。 また,渋滞解消のためには,莫大な費用と長い期間のかかる大型道路の新設ではなく,安価で短期間にできる現道路の交差点の拡幅や改良などを行うべきです。渋滞ランキングに掲載された交差点における広島県道路交通渋滞対策部会での最新の議論の状況をお示しください。 次に,計画区間について伺います。 多治米川口線について,6月議会では最適のコースとの認識が示されました。地域住民にとっては耳を疑うような認識です。 2018年4月20日の川口東学区での車座トークでも,福山道路が完成すると学区を二分し活動や交流が困難になる,騒音や排気ガスにより生活環境が悪化するとして,学区民の心配事の一つとの意見が出されていました。 現状では多数の住宅が建設されているため,最適ルートどころか,道路建設は不可能なルートです。福山道路の事業計画を見直すことを求めますが,御所見をお示しください。 建設行政について,市営住宅の改善について伺います。 瀬戸町の妙見市営住宅では,市営住宅を退居すれば,室内は改装され新しくなります。しかし,長く居住しているところでは,入居時のままで経年劣化も起きている状況です。深津の市営住宅では,階段のコンクリートが剥がれ落ちている。ベランダの下の部分が剥がれている。さびと見られる茶色の濁った水が出る。山手町の市営住宅では,駐車場に穴があいて危険だなどの声が上がっています。市営住宅の個別改善,修繕対応しなければならない状況が散見される中,対策を求めるものですが,御所見をお示しください。 2013年から2022年までの福山市営住宅長寿命化計画は,住宅に困窮する世帯に対しセーフティーネットとして市営住宅の供給を適切に行うことが必要としています。そのため,維持管理などの計画も立てられています。 準備中空き家は,2013年から2017年までの間に457戸修繕されましたが,抜本的に修繕予算をふやし,活用できる住宅をふやすことが求められます。 2017年度の決算要求資料では,市営住宅の待機者は延べ955人となっており,新たな建設も必要と考えます。御所見をお示しください。 連帯保証人の免除について伺います。 福山市では,連帯保証人は基本的には2人必要としていますが,特別の事情があるものは1人免除することができるとしています。 しかし,保証人が見つからないため,市営住宅への入居を断念した方もいました。他の自治体では,連帯保証人の免除取扱要綱をつくり,保証人がいない市民の入居を認めています。福山市でも,免除規定を設け,保証人がいなくても市営住宅に入居できるよう改善を求めるものです。御所見をお示しください。 バリアフリー化の促進,エレベーターの設置について伺います。 市営住宅を建てかえる際には,バリアフリー化や高層階へのエレベーターの設置が行われています。しかし,既存の市営住宅でのバリアフリー化,エレベーターの設置は進んでいません。 国土交通省は,2000年度からエレベーターを廊下型公営住宅だけでなく,階段室型公営住宅でも設置できるとしました。整備費の45%と家賃の低廉化に要する費用として45%を1年間助成します。居住者の合意のもとに地方自治体から要求があれば設置する方針です。障害者,高齢者,子育て世代などの入居する市営住宅でのバリアフリー化,エレベーターの設置を積極的に行うことを求めるものですが,御所見をお示しください。 教育行政について,常金中学校における学校統廃合計画と地域振興について伺います。 常金中学校と新市中央中学校を再編し,新市中央中学校の位置に再編校を開校すること,常金中学校の校舎を解体した敷地に常金丸小学校を移転するとの計画が発表され,地域説明会が開かれています。この計画に対して,7月1日付で地元町内会から市長と教育長に対し要望書が提出されています。その内容は,突然のことで不安が広がっているとして,常金丸学区においては,これまで長年小中一貫の地域として子どもを育て,小中一貫教育の実践ができているとし,生徒数だけで再編を決められても到底納得できないと計画の白紙撤回を求めています。地域住民へのアンケート調査も行われたそうですが,結果は回答者の約9割が常金中学校の存続を求めるもので,保護者アンケートの結果でも同様でした。この要望は,常金丸学区としての住民総意とも言えるものです。要望に対する市長の受けとめをお答えください。 アンケートは,今後の常金中学校はどうなってほしいかとの問いに対し,ア,常金中学校を残してほしい,イ,常金中学校と常金丸小学校を一緒にした学校をつくってほしい,ウ,新市中央中学校と一緒になってほしいと3つの項目です。1314人が回答したとのことでしたが,常金中学校の存続を求める回答は336人で25.6%,小中一貫校にしてほしいは804人,61.2%です。何らかの形で常金丸学区へ常金中学校の存続を望んでいる声は86.8%で,およそ9割の人が望んでいることが明らかになっています。一方,新市中央中学校と統合を希望する声は160人,12.2%とのことでした。 常金中学校の存続理由として,通学距離が長くなることに不安,心配,親の負担がふえるとの意見や,過疎化が急速に進むことへの不安が多く出されたようです。さらに,小中一貫校を希望した理由として,常金に学校が必要だからとの声が一番多い結果でした。 このような大規模なアンケート結果により,常金中学校の存続を望んでいることが明らかになりましたが,この結果に誠実に対応することが行政の責務です。逆に,9割もの住民の声が市政に届かないとなれば,市民が幾ら意見を言っても無駄,自治会は行政の下請けでしかないのかとの受けとめが広がり,ただでさえ加入率の下がっている地域の自治会活動と今後の市政運営にマイナスの影響を広げることが懸念されます。 8月26日の夜,市議会文教経済委員会の議会報告会が開催されました。参加者からは,常金中学校を残してほしい,これまで学校に行けなくなった子どもが常金中学校に登校するようになり元気を取り戻した,大規模校ばかりでなく小規模校もあるという選択肢を残してほしいといった声が寄せられました。マンモス校卒業だが大人数で切磋琢磨した記憶はない,一握りの友人としか交流した経験はない,学校規模は大人数だからよいというのは納得できないとの意見もありました。翌日の議会報告会でも,同校の存続を求める意見が出され,保護者と住民の常金中学校に対する熱い思いが届けられました。 市長は,このような圧倒的な住民の声を真正面から受けとめ,同校などの小規模・中規模校の教育環境を維持,拡充するための教育予算を編成するべきですが,御所見をお示しください。 7月29日に,市議会文教経済委員会で山口市のコミュニティ・スクールの視察調査を行いました。同市では,小規模化が進んだ児童数4人の小学校で地域住民と連携しながらコミュニティ・スクールによる運営を行っていました。導入理由として,市長が車座トークで直接聞いた学校をなくさないでほしいとの住民要望に応えたとのことであり,同意なしに統廃合は進めないと話していました。そして,この制度により学校統廃合計画に歯どめがかかり,小規模校が存続しているそうです。 小規模校を存続させる方法としては,コミュニティ・スクールや小規模認定特認校制度の導入など,さまざまな手法がありますが,教育委員会会議ではコミュニティ・スクールについて議論された経緯があるようです。市長はコミュニティ・スクールや小規模認定特認校制度の導入についてどのような認識なのか,お答えください。 我が党は,先般常金中学校を視察しました。同校では,菊の里の伝統を受け継ぎ,常金丸の菊を広めたいという思いで,菊づくりや菊花展への出品,菊のパンフレット制作などの活動を行っているそうです。さらに,常金丸の菊をもっと広めるために生徒がキクちゃんというマスコットをつくり,挨拶運動の横断幕に加えたり,福山市のマスコットキャラクター,ローラの妹にしてほしいと準備を進めたりしているそうです。総合学習の授業は生徒たちが真剣に生き生きとアイデアを出し合う討議を行っており,まさに学校と地域が一体となって地域振興策を進める好例と言える中学校でした。 このような地域活性化の取り組みが長年実践されている常金中学校は,文部科学省の公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引にある,学校を地域コミュニティーの存続や発展の中核的な施設と位置づけていると言える学校です。そのため,文科省の手引に従っても,統廃合を選択しないケースと言えます。常金中学校の存続を求めますが,市長の御所見をお示しください。 以上,それぞれについて御所見をお示しください。 以上で,第1回目の質問を終わります。 (枝廣直幹市長登壇) ◎市長(枝廣直幹) 高木議員の御質問にお答えいたします。 初めに,核兵器禁止条約の批准についてであります。核兵器のない平和な社会の実現は人類全ての共通の願いであり,普遍の目標でもあります。核兵器禁止条約の批准につきましては,引き続き日本非核宣言自治体協議会の活動を通じ,国に対して要望してまいります。 次に,消費税率の引き上げについてであります。消費税率の引き上げは,全世代型社会保障の構築に向け,少子化対策や社会保障に対する安定的な財源を確保するため,そしてまた財政健全化にも資するよう実施されるものであります。 次に,国民健康保険事業についてであります。 まず,国保税についてであります。県単位化に伴い,激変緩和期間中は段階的に調整することとし,被保険者の急激な負担にならないよう,財政調整基金を活用し対応しているところであります。 次に,一部負担金の減免制度についてであります。一部負担金は,医療サービスを受ける被保険者と健康な被保険者との負担の公平性を確保するために設けられているもので,各種保険制度を通じて全国で統一された負担割合になっています。一部負担金の減免制度については,財源問題を含め,保険制度全般の中で議論すべき課題と考えています。 なお,本市では減免制度の運用基準について,国からの通知に基づき2011年度平成23年度に拡充をし,生活が一時的に著しく困難となり,生活保護基準額を下回る場合に免除する規定を設けています。また,恒常的に生活が困難で他の福祉施策に該当すると思われる場合は,関係部署と連携を図り,適切な対応をしているところであります。 次に,資格証明書の発行についてであります。資格証明書は,被保険者間の負担の公平性や制度の安定運営の観点から,負担能力があるにもかかわらず納税に誠意が見られない世帯に対して交付をしているものであります。 なお,国の基準に加え,本市独自の適用除外基準を設け,法定軽減世帯など低所得世帯に対しては交付をしていません。 次に,子どもの均等割の減免についてであります。国保制度においては,税負担を抑制するための法定軽減制度が設けられています。2014年度平成26年度からは毎年度,拡充や見直しが行われており,低所得者の負担軽減に努めています。 加えて,本市においては,法定軽減世帯における18歳以下かつ2人目以降の被保険者への本市独自の減免制度により,子育て世帯への負担軽減を図っています。 次に,介護保険制度についてであります。 次期改正の2021年度令和3年度の施行に向けた厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の議論の中で,要介護1,2の方に対する生活援助サービス等の給付のあり方についても検討されており,今後の動向を注視してまいります。 また,制度改正全般に関しましては,将来を見据え,保険料水準の上昇を極力抑制するため,給付と負担のバランスや国と地方の負担のあり方について検討し,持続可能な介護保険制度の確立を図るよう,全国市長会を通じて国に要望しております。 なお,要介護1,2の生活援助の利用者数は,本年3月において967人であります。 次に,保育行政についてであります。 まず,給食費の実費徴収についてであります。国は1998年平成10年に副食費の実費を4500円と設定し,保育料として負担していただくよう制度設計をしておりました。このため,無償化後においても,これまでと同様に保護者に負担をお願いすることになります。 なお,副食費の徴収額についてはそれぞれの施設が決定することから,所要額等の試算は困難であります。 次に,認可保育所の整備についてであります。認可保育所の整備につきましては,今後とも保育需要に応じて適切に実施をしてまいります。 次に,保育士配置基準についてであります。保育士の配置につきましては,国の基準を踏まえ,本市の条例により定める基準に基づき適切に配置されており,それぞれの施設の状況に応じ,加配を行っています。今後におきましても,安心・安全な保育が提供できるよう,適切な保育士の配置に努めてまいります。 次に,福山道路についてであります。 まず,事業再評価については,学識経験者等から構成される事業評価監視委員会において,事業の必要性を評価する項目の一つである費用便益比も含めて審議をされる中で,事業を継続するという結果になっています。 次に,渋滞ランキングについてであります。渋滞ランキングは,全国の直轄国道において国が同じ考え方により算出していると聞いています。 次に,広島県道路交通渋滞対策部会についてであります。本年8月に開催された本部会において,市内では国道2号の福山郵便局前交差点における上り車線の右折レーンの延長などの渋滞対策について意見交換されたと伺っています。 次に,福山道路の整備計画についてであります。市内中心部の国道2号では著しい交通渋滞が発生しており,市民生活の安全性や利便性,そして社会経済活動に大きな影響を与えています。また,昨年7月の豪雨災害時においては,山陽自動車道と国道2号が通行どめとなり,交通,物流に支障が生じたところであります。これらの課題を抜本的に解消するには,福山道路の早期整備が必要不可欠と考えています。 引き続き,国,県と連携し,本市及び備後圏域の活性化や地域の安全・安心の確保のために,福山道路の早期整備の推進に努めてまいります。 次に,市営住宅についてであります。 市営住宅の改善については,福山市営住宅等長寿命化計画に基づき,外壁の劣化の改修や屋上の防水改修など,計画的に改修工事を実施しています。また,入居者や管理人からの通報や日常的な点検により建物や設備のふぐあいなどの把握に努め,必要な修繕を行っています。引き続き,長寿命化計画に基づき,安全で快適な住まいの確保に努めてまいります。 次に,市営住宅の供給については,少子高齢化や人口減少など社会状況の変化を踏まえ,2016年平成28年4月に策定した福山市住生活基本計画に基づき,適切に供給を行っています。 次に,連帯保証人制度についてであります。近年,身寄りのない単身高齢者等が増加していることを踏まえ,国から連帯保証人の確保については特段の配慮をすべきであるとの考え方が示されております。本市でも,これを踏まえ,既に連帯保証人制度についての検討を始めています。 次に,市営住宅のバリアフリー化についてであります。既存の市営住宅のバリアフリー化については,室内や共用階段に手すりの設置を計画的に進めています。 なお,既存の市営住宅にエレベーターを設置することについては,建物の築年数や階段室型という構造上の問題により,費用対効果が著しく低いことなどから,困難であると考えています。 次に,常金中学校の再編と地域振興についてであります。 学校再編については,引き続き教育委員会が保護者を初めとする地域の御理解を得るよう,しっかりと説明を重ねてまいります。 再編対象地域の地域振興については,関係部局が連携をしながら,それまで地域が大切にしてきた活性化の取り組みをさらに大事に守るなど,一緒になって進めてまいります。 以上で,高木議員の御質問に対する答弁といたします。 ◆30番(高木武志) それでは,第2質問を行わせていただきます。 核兵器禁止条約の批准について,引き続き国のほうにも非核自治体等の自治体として参加している中で,求めていくということであります。 ただ,最近ホルムズ海峡への有志連合の組織,これが,アメリカが中距離核戦略全廃条約から脱退をしたことによって,こうしたことも呼びかけられるような状況になっております。当然のことながら,朝鮮半島の中での非核化を進めていく上でも,今の北朝鮮の核開発というのは容認できるものではありませんし,まさに一触即発の状態というのも予測されているような状況もございます。そうしたことが起こらないよう,来年ちょうど被爆75年という節目の年にもなりますし,ニューヨークでもそうした原水禁世界大会も開かれますので,ぜひ実現できるように,強く,あらゆる機会を通じてこの核兵器禁止条約の批准を政府に求めていただきますよう要望をしておきます。 それから次に,消費税の10%の増税の問題であります。 新聞報道によりますと,キャッシュレス決済のポイント還元制度で,開始当初の導入店舗が,対象とされる200万店の中小事業者の3割程度の60万店にとどまることが報道されております。 このポイント還元制度というのは,経済対策の一つになっておりますけれども,来年6月までの期間限定ということもあって,ちょうど申請の始まる10月以降は,これが非常にペースが鈍るのではないかという可能性も示唆をされております。 昨日の他会派の答弁でも,福山市で8月末の時点で625事業所,1345店舗の申請ということでありましたけれども,福山市内でのキャッシュレス決済の対象となる店舗数というのはどれぐらいあるのか,お示しをいただきたいと思います。 それから,プレミアム付商品券について,各自治体で使える期間が異なって,使用できる店舗も決まっていない自治体もあるようで混乱をしております。この消費税の増税というのは,やはり中止をするようぜひ求めていただきたいなというふうに思うところですが,一つ,年金生活者への支援給付金というものがございます。消費税に連動して行われるんですけれども,これが年に6万円上乗せをされるということになっております。 しかし,生活保護を受けている方への年金生活者への支援給付金は,その分が収入とみなされて生活保護費から引かれるということになっております。最低限の生活をしている生活保護を受給している人の年金に上乗せをされた金額を収入とみなすということは,とんでもないことだというふうに思うわけです。そういったことで,政府に対して,生活保護受給者の年金生活の支援給付,これが収入とみなされないように,ぜひ求めていただきたいというふうに思うものですが,いかがでしょうか。 ◎福祉部長兼福祉事務所長(梶山泰) 年金生活者支援給付金制度に対して,生活保護を受けていらっしゃる方の収入認定にしないことを国に求めてはどうかということの質問であります。 生活保護制度は,基本的には生活保護法の中で,その生活をし得る資産,能力,その他あらゆるものをその最低限度の生活維持のために活用することということになっております。その生活保護の実施に当たっては,年金,手当等の公的な給付を含んで資産を活用するということになっております。 今回の給付制度につきましては,消費税の財源を使った年金生活者への給付ということでありますので,そこについては収入としてみなして,生活保護の収入として算定することになっておりますので,そこの部分については国の制度でありますので,国の制度として収入認定をしていくということで取り扱っていきたいと思います。 以上です。 ◎経済部長兼福山駅前再生推進部参与兼農業委員会事務局参与(岩木則明) 消費増税に伴いますポイント還元制度等の利用可能店舗数等の御質問でございます。 まず,議員の御質問の中にありましたキャッシュレス決済を利用可能な店舗数といいますと,これはもう非常に多くございます,キャッシュレス決済そのものにつきましては。そのキャッシュレス決済を利用いたしましたポイント還元制度を利用できる店舗数でございますけれども,8月21日現在の数値でございますけれども,市内では582店舗の登録がございます。 先ほど,議員のほうから625事業所,1354店舗というきのうの答弁を参考にしたお話がありましたけれども,この事業所数,店舗数につきましては,プレミアム付商品券の利用可能店舗数ということになりますので,よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) キャッシュレス決済の分の対象となる店舗というのが582店舗ということですけれども,この申請をされているかどうかというのはわかるんでしょうか,教えていただければと思います。 それから,先ほどの生活保護受給者の年金生活支援給付を収入とみなすということなんですけれども,いわゆる消費税によってその分年金生活しか,しかもそうした年金の額の少ない人が消費税の増税によって支出を多くしなければならないというふうな状況になってるわけです。消費税の第1質問でも述べましたけれども,そういった逆進性というのがある中で,低所得者対策として政府が年金生活者にも年6万円を支給するというふうになっているということであるならば,生活保護受給者の方であっても当然そういったことが行われるべきではないかなというふうに思うわけです。 しかも,そういった年金が上乗せをされる部分が収入とみなされるということでは,本当に生活できないというふうなことを言われております。それは当然だろうというふうに思うんです。だからこそ,国に対してそういったことを改めて収入認定としないように,ぜひとも求めていただきたいということを強く要望しておきます。 ◎経済部長兼福山駅前再生推進部参与兼農業委員会事務局参与(岩木則明) 先ほど申し上げましたポイント還元制度を利用可能店舗数582店舗,申請しているのかどうかといったような御質問でございました。 もちろんこの582店舗につきましては,申請をされて登録をされた店舗数ということになります。ただ,それ以外の店舗について,申請の状況につきましては,市を通さず直接申請をされておりますので,申しわけございません,全体の数値というのは把握できておりません。 よろしくお願いいたします。 ◆30番(高木武志) 次に,国民健康保険事業について伺います。 まず,市長が特別の事情として認めるかどうかということが大きな焦点になっているというふうに私は思います。生活保護基準以下の世帯について,その特別の事情の中に入れるのかどうか,このことが大きな問題であろうというふうに思うんです。そのことによって,国保税の減免であるとか,資格証の問題であるとか,あるいは一部負担金の問題,こうしたことも関連をして出てまいります。 この生活保護法の中には,生活保護について,国が生活に困窮する国民に対して,その困窮の程度に応じて必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長することを目的につくられております。さらに,生活,教育,住宅,医療などのそういった扶助を行うということになっているわけであります。国が最低生活の保障をするというふうになっているにもかかわらず,その補足率というのは2割程度というふうになっております。 国保の加入者の中にも,かなりそういった方がおられるわけですけれども,そこで生活保護基準以下の世帯が国保税や医療費を支払わせることによって生活を著しく困窮をするということになる,そういったことも多く見られると思うわけですけれども,そうした中で特別の事情として認めることが必要だというふうに思うんですけれども,それについてお考えをお示しをください。 ◎市民部長(太田雅士) 国保制度にかかわりまして,生活保護基準以下の世帯を特別な事情として認めるかどうかということでございます。 これについては,それぞれの制度によって国保制度の中での扱いが異なってまいります。まず,一部負担金につきましては,これは一時的に生活に困窮し,生活保護基準以下の収入しかないというような場合には,一部負担金の減免の対象となっております。 また,資格証明書の発行とかということにつきましては,これは,直接的な資格証明書を発行しないという対象にはなってはおりませんけれども,法定軽減世帯については,これは発行をしておりません。生活保護基準と法定軽減の基準の額を比べてみますと,ほぼ生活保護基準以下の世帯は法定軽減世帯に含まれておるような状況でございますので,実際には生活保護基準以下の世帯については,資格証明書の発行は行われておりません。 法定軽減制度につきましては順次制度が拡大されておりまして,現在は全世帯のうち6割を少し超える程度の対象となっております。 また,国保税につきましては,先ほども申し上げました法定軽減制度が設けられております。この法定軽減制度によりまして低所得者の負担の軽減を行っているところでございます。これについては,さらなる減免の拡大ということについては,保険者の安定的な運営というような観点からも,これは考えておりません。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) 先ほど,生活保護基準以下の世帯については資格証明書を発行していないとか,あるいは減免をされているというふうなことでありましたけれども,ところが,この生活保護基準の世帯というのは,ほんならどういうふうに把握をされているのか,一体法定軽減世帯以外で生活保護基準以下の世帯というのがどれぐらいあるのか,お示しをいただければと思います。 ◎市民部長(太田雅士) 生活保護基準というのは,その世帯の状況,構成人数とか年齢,さらには例えば障害者の方がおられるかどうかによって,その世帯によって変動するものでございます。したがって,国保の加入世帯,被保険者のうち,その生活保護基準以下かどうかということを算定することは困難であります。 ◆30番(高木武志) つまり,生活保護基準以下世帯がどれぐらいあるかということはわからないという中で,生活保護基準の世帯には当然減免がされているというふうなことを言われるのは,ちょっとおかしいというふうに思います。 それで,今金沢市なんかでも,生活保護を受けるものと同程度の実情である場合,こういった規定も設けてそういった減免制度,申請減免ができるようにしておりますし,その他特別の事情があると認められるものとして,例えばサラ金やローンなどの負担がある人,こういった方も対象として上げています。やはり,こういったことが,今特に法定軽減以上でも生活保護世帯に該当する人が恐らくいると思うんです。そういった方々が本当に今の減免を受ける状況にはないと,そういった中で国保税の滞納というふうなことになったりしている場合も当然あると思います。 ぜひ,そこら辺を把握していただいて,そういったことが,先ほど言われるように法定軽減世帯の中にほぼ含まれるから大丈夫なんだというふうなことが本当にそうなんかどうかということを,ぜひ実態として調べていただきたいというふうに思います。 それから続きまして,子どもの均等割の問題について伺いたいと思います。 所得の少ない子どもに税の負担をする国保制度そのものが問題なんですけれども,少なし法定軽減世帯というのは国が低所得と認めてそういった特別の措置をしていると,18歳以下の子どもがおられる世帯というのはやっぱり均等割を全額免除するべきだというふうに思うわけです。 そこで,法定軽減世帯の子育て世代については,どれぐらい全額免除するために財源が必要なのか,示していただければと思います。 ◎市民部長(太田雅士) まず,さきの答弁におきまして,生活保護基準以下の世帯の数の把握は難しいと言いました。では,なぜ資格証明書の発行に当たって,法定軽減世帯で全部カバーできるのかといったところでございますけれども,モデル的に幾つかのパターンで算出しましたところ,これは全て生活保護基準以下は法定軽減世帯になっておるということでございます。根拠がないわけではございません。ただ,それぞれの世帯によって生活保護基準以下になる,ならないということがございますので,その数を把握することは困難であるということでございます。 子どもの均等割についてでございます。 現在,本市では法定軽減世帯で18歳以下の子どもがいる場合,2人目以降均等割を軽減しておりますけれども,これを法定軽減世帯において18歳以下の子どもさん全ての均等割を軽減した場合の影響額でございますけども,これは対象者が6000名ほどいらっしゃいまして,これは昨年度8650万円ぐらい,今年度のベースで言えば9020万円程度の額ということになります。
    ◆30番(高木武志) この金額は,これまで財政調整基金,あるいは昨年度の決算剰余金等でも十分対応できるものではあると思います。 今,平成25年8月6日には社会保障制度改革国民会議報告書というものがありまして,その中では,消費税の引き上げの際に国保税の問題について,国民健康保険の低所得者に対する保険料の軽減措置の拡充を図るべきだと。具体的には,対象となる軽減判定所得の基準額を引き上げることということで,この間ずっと行われてまいりました。こういった低所得者対策を行うことは国民皆保険制度を維持していくために必要なものなんだということが記載もされております。そういった論議はされております。こういった意味でも,福山市でこうした財政調整基金,あるいは決算剰余金などを活用して,ぜひとも実現できるように,法定軽減世帯の子育て世代に均等割の全額免除を求めておきたいと思います。 それから,国保税の現年分を滞納している世帯というのがありますけれども,これが現在何世帯になっているのか,また,そのうち18歳以下の子どもがいる世帯というのはどの程度あるのか,お示しをいただければと思います。 ◎市民部長(太田雅士) 本年度におきます現年分の滞納世帯でございます。 昨年度,2018年度平成30年度におきましては8363世帯ということになっております。そのうち18歳以下の子どもがいる世帯,あるいはその人数ということでございますが,これについてはデータは持ち合わせておりません。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) 滞納世帯は2018年5月末の時点で8363世帯ということでありますが,加入世帯にすれば13.7%ということになります。この間を見てみますと,全体的には滞納世帯の割合というのは下がっていますけれども,所得の40万円から300万円世帯というのは,むしろふえている状況です。こうした世帯が一番国保税が引き上げられたことによって大変な負担が強いられているということになっております。ぜひとも,こうした滞納世帯が国保税の引き上げによってそういう状況になっているんだというふうに思うんですけれども,その滞納している理由について,わかればお示しをいただければと思います。 ◎市民部長(太田雅士) 国保税を滞納する理由ということでございます。 これについては,さまざまなものがあろうかと思います。もちろん,国保というものは低所得者が多いという構造的な問題もありますので,そういった経済的な面もあります。だからこそ,法定軽減など低所得者対策をシステム的に行っております。 そのほか,例えば資格証明書の発行の対象となるような滞納者につきましては,ちょっと納税について誠意が見られないといった世帯もございます。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) こうした滞納世帯がふえているというのは事実でありますし,そういった中で所得の低い世帯がふえているということで,ぜひとも国保税の引き下げを実現をしていっていただきたいということを強く求めておきます。 次に,保育行政について伺いたいと思います。 まず,給食というのが保育の一部だという認識があるのかどうか,その点についてお示しをいただければと思います。 ◎児童部長(住元利博) 保育における給食の認識というお尋ねであるかと思います。 当然ながら,保育所における給食につきましては,給食は食育として保育の一環であると,そのように認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) 福山市として,3歳から5歳児の副食材料費を委託費に含めることについて要望しましたけれども,これを行わないことについて,その理由についてお示しをいただければと思います。 ◎児童部長(住元利博) 保育所保育指針によりますと,保育とは,乳幼児を保護し,そして教育することとございまして,食育とはそういった保育の行為,これに含まれるものという形で解されております。 一方,今お尋ねがございました公定価格,こちらのほうにつきましては,施設型給付費及び地域型保育給付費,この対象となる運営経費の額を算定する,そのための基準でございます。ですから,保育という行為の内容であらわしたものではございません。 そして,お尋ねの副食費というものは,給食提供に当たってのおかずの材料代でございます。したがいまして,材料の経費代は運営経費である公定価格に含まれていようが,含まれていまいが,でき上がった給食によりまして食育,これを含めた保育の提供,これを行うことについては,無償化以前のこれまでとは何ら変わるものではございません。 そうしたことから,私どもといたしましては,今回の無償化に当たりましての副食費の扱い,これは国の示す形でやってまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) 先ほど保育の一部ということで,食育も認められました。この公定価格の中に含めるべきもので,副食材料費はこれまで含められてまいりました。いわゆる公費負担とするべきだというふうに思うわけです。こうした今の実費徴収というものが行われれば,公的な保育制度というものを後退させることになります。ぜひとも,そういうことのないように,ぜひ改めて考えていただきたいというふうに思います。 それから,公的保育所の保育料の無償化の財源ということで,本年度は国負担となるということであります。そうした中で,福山市が独自にこれまで出していた保育料の負担分というのが軽減されることになりますけれども,その金額についてお示しください。 ◎児童部長(住元利博) 現在の保育料,これにおきまして独自軽減の部分はございますけども,今後無償化に当たりまして,まだ保育料のほうが無償化とならないような世代もございます。そうしたことから,今後どの程度の余剰が生じるかについては,現時点では試算することは困難と考えております。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) 国のほうは,ことしの3月の内閣委員会で,こうした一部浮いた財源,これを地域における子ども・子育て支援のさらなる充実に活用することが重要だというふうにされておりますけれども,福山市は財源として出てきた場合,こうしたお金はどのように活用するつもりか,お示しをいただければと思います。 ◎児童部長(住元利博) 少子化対策,この一環といたしまして保育料の無償化,これは子育て世代の経済的負担の軽減に大変大きな効果があり,そして今回,国は負担軽減に一定の道筋を立てた,そのように考えているところでございます。 そして一方,こうして経済的負担,この軽減とともに,現在待機児童対策というものは子育て支援の喫緊の課題となっております。そのため,10月の無償化以降,これは経済的負担の軽減,これを国の制度に粛々と行っていくのはもちろんでございますが,無償化以降はこれまで以上に保育環境の整備を進めるよう,保育人材の確保など,これらに努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) この待機児童対策というのは本当に喫緊の課題ではありますけれども,最初にまず,これを今の消費税の増税によって無償化を進めていくということじゃなく,これをまず今取り組むべき課題だろうというふうに思うわけです。 そのためにも,保育水準を確保しながら,一つは施設を建設をしていく,認可保育所を増設をしていく,それから保育士をふやす,このためには人材確保というのもあるでしょうけども,その人材を確保するためには保育士の処遇改善,とりわけ給料が安い,あるいは仕事が多い,労働時間が長い,先ほど第1質問の中でも触れましたけれども,その割合というのは給料が安いが65%,そして仕事量が多いというのも52%,労働時間が長いが37%。最も高いのは給料が安いということです。こうした労働条件の改善をまずやるべきだというふうに思います。その点について,国あるいは市独自での対策を強く求めておきます。 それから,副食材料費の当初示されていた4500円と政府の公定価格との差,副食材料費5000円を超える部分がありますけれども,この全額を公定価格から減額をするということになっていますが,この差額についてはどのような対応を考えておられるのか,お示しください。 ◎児童部長(住元利博) 質問にもございましたけれども,新たに公定価格から差し引くことになった5188円,それと実費徴収の副食費4500円との差額についてでございます。 国は,この差額を活用いたしまして適切な保育提供に資する,そのような加算を設け,それにより公定価格全体としては影響がないよう対応することとしております。 しかしながら,こうした内容の詳細につきましては現在検討中でございますので,今後国の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆30番(高木武志) 続いて,ちょっと道路の問題について伺いたいと思います。 ○議長(早川佳行) もう時間がないんで。 ◆30番(高木武志) (続)今,朝夕の渋滞がひどいと言われていることが福山市のホームページにも書かれております。そうした中で,市民の意見を聞いていただいて,どこが渋滞するのか,こういったことをぜひ検討していただきたいということを求めておきます。 (30番高木武志議員質問席を退席)(拍手) ────────────────── ○議長(早川佳行) この際,休憩いたします。         午前11時19分休憩 ──────────────────             午後1時再開 ○副議長(熊谷寿人) 休憩前に引き続き,会議を開きます。 ────────────────── ○副議長(熊谷寿人) 次に,38番村井明美議員。 (38番村井明美議員登壇)(拍手) ◆38番(村井明美) 日本共産党の村井明美でございます。一般質問を行います。 市長の政治姿勢について。 参議院議員選挙の結果と,投票率の向上策及び在宅投票制度の拡充について伺います。 本年7月11日投票で,参議院選挙が行われました。安倍首相は2020年に憲法を変えることを明らかにして参議院選挙に臨みましたが,自民党は1人区で9議席を後退させ,参議院での単独過半数を割りました。 選挙結果で最も重要なことは,自民,公明,維新などの改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2を割り,国民は期限を切った性急な改憲は許さないとの民意を示したことであります。安倍首相は,この結果を受けてもなお選挙勝利と強弁し,自身の総裁任期中に改憲を実現するとしています。民意を踏みにじることは,許されません。 市長は選挙結果をどのように受けとめられたのか,お示しください。また,憲法9条を守ることを政府に強く求めてください。 以上についての御所見をお示しください。 今回の参議院選挙で注目すべきもう一つの問題は,投票率であります。全国平均は48.80%で,前回比5.90ポイント減,戦後2番目に低い投票率です。福山市は,広島県内自治体の中でワースト3位の42.60%で,前回比3.74ポイント減という状況です。とりわけ,18歳,19歳の若齢層は総務省の抽出調査で31.33%,前回の全数調査から15.45ポイント減であります。今戦われる選挙は将来の国や地方自治体のあり方を左右するものであり,若い人たちの生活に直接かかわります。今回の投票状況をどのように認識されているのか,また若い人たちの投票率向上にどのような方策が必要であるとお考えか,御所見をお示しください。 次に,高齢者の参政権の保障問題であります。現在,介護度5の高齢者は郵便投票ができますが,これでは高齢者の参政権を保障するには不十分です。政治参加の意思を持ちながら,歩行が安定しない,体がふらつくなどで投票所まで行けないという方が少なからずあります。国に対しては,在宅投票の対象を広げることを強く求めるとともに,福山市として高齢者の参政権の保障をどのように進めるのか,今後の方策をお示しください。 以上,それぞれに御回答ください。 福山市公共施設等サービス再構築基本方針について伺います。 福山市は,このたび公共施設等サービス再構築基本計画に取りかかり,9月2日,行財政改革特別委員会で基本方針案が報告されました。これは,2018年2月に発せられた総務省自治財政局からの事務連絡文書,公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針の改定について等を踏まえて行ったとのことであります。 内容は,2016年度から2045年度までの30年間で公共施設の総床面積を20%,インフラ施設については約4100億円のトータルコストの縮減を目標としています。この計画は,これまでのような自治体による個別施設ごとの統廃合,更新にとどまらず,公共施設などを中長期的な視野に立って全面的に見直し,総量削減,経費抑制を前提に国主導で推進していくものです。このような計画推進のあり方をどのように受けとめているのか,お示しください。 また,改定前の基本方針では数値目標は設定されておりませんでした。現在,99.8%の自治体で当計画が策定されているとのことですが,全国的な数値目標の設定状況についてお示しください。 次に,福山市は,今日まで平成の大合併で4町を編入し,面積は約362平方キロメートルから約518平方キロメートルとなり,合併前の1.43倍になりました。市域が広くなったにもかかわらず,公共施設の統廃合や自治体職員の削減を進めてきました。このため,住民サービスの後退や周辺地域の疲弊が引き起こされています。まず,合併後の現状把握や総括をしっかりと明らかにするべきであります。にもかかわらず,引き続き連携中枢都市圏構想が打ち上げられ,さらに,このたびの目標に沿って公共施設の20%,インフラ施設のトータルコストの縮減が行われれば,今後の福山市や備後圏域はどのような状況となると認識しておられるのでしょうか,御所見をお示しください。 次に,公共施設の縮減は,用途区分ごとに20%を縮減することになるのか,トータル面積で20%を縮減することになるのか,その具体をお示しください。 福山市の公共施設の現況について,用途区分別保有数量を見ると,幼稚園,小学校,中学校,大学などの学校教育の区分が68.6万平方メートル,44.8%で最も多い状況です。そのため,学校教育施設が削減のターゲットとされることを懸念するものです。当計画と福山市学校規模学校配置の適正化計画はどのような関係や関連があるのか,お示しください。 福山市は,総務省の誘導策に従うのではなく,どのような施設も市民,地域住民とともに十分な話し合いを行い,合意を形成し,方向性を決めるべきであります。そのためにも,数値目標に基づく公共施設の削減や統廃合をやめることを求めるものです。御所見をお示しください。 さらに,総務省は,公共施設の管理運営にPPP,PFI方式を導入し,民間団体に管理運営を委託する方向を優先して討議することも打ち出しています。民間への管理委託でスケールメリットを生み出す要素には人件費の削減が多くを占めると推察されますが,公的施設でありながら,非正規労働者や低賃金の労働者を生み出すこととなりかねません。また,大規模施設の外部委託は,大企業への仕事提供の側面を持っています。自治体機能を後退させることなく,ごみの処理や図書館の管理運営,水道事業や下水道事業等,本来自治体が担うべき業務については直営を貫くべきであります。公共施設の管理計画は,住民自治の基本に立ち返ることを強く求めるものです。 以上の諸点について,御所見をお示しください。 医療費助成制度について,子ども医療費助成制度の拡充について伺います。 本年度から,福山市は子ども医療費助成制度の対象年齢を入通院ともに中学卒業まで拡充しました。とても助かると,多くの保護者が喜んでいます。制度拡充から半年ですが,どのように評価されているのか,お答えください。 本市の制度は,一部負担金があるため,子どもの人数がふえるほど医療費負担がふえます。また,所得制限もあり,一部の子どもたちが当制度を利用できません。依然として一部負担金や所得制限撤廃を求める声は根強くあり,この声に応えるべきです。 また,一部負担金と所得制限を撤廃した場合の所要額をそれぞれお示しください。 先日開催された議会報告会では,子どもの権利条約での子どもの定義は18歳未満です,高校卒業まで医療費助成対象を拡大してほしいとの意見が寄せられました。 本年7月現在,全国で高校卒業までを対象としている市町村は,通院は541,入院は586に上ります。医療費助成は子育て施策の重要な柱の一つです。対象年齢の拡充を求めます。 以上,それぞれについての御所見をお示しください。 妊産婦医療費助成制度の創設について。 共働き子育てしやすい街ランキング全国1位になった栃木県宇都宮市では,さまざまな子育て支援を実施しています。例えば,病気の早期発見・治療を促し妊産婦の健康増進を図ることを目的に,妊産婦医療費助成を実施しています。対象期間は妊娠の届け出が受理された月から出産後2カ月までで,1医療機関の自己負担額を月額500円までとしています。その補助は県と市が担っているとのことですが,切迫早産など治療費がかさむ妊婦にとって医療費助成はとても助かっているとのことです。本市も広島県と協力して妊産婦医療費助成を実施することを求めます。御所見をお示しください。 産後ケア事業の拡充について。 宇都宮市では,産婦健診で産後鬱の疑いがあると判定された人などを対象に,心身のケアや育児サポートを行う産後ケア事業を行っています。内容は,宿泊,通所,訪問のケア事業で,利用期間は産後4カ月以内とのことです。 福山市の場合は,宿泊型や日帰り型の利用期間は出産日から2カ月,ヘルパー派遣事業は4カ月です。産後期の母親は精神的に不安定になりやすく,産後鬱の発症リスクが高まるとされています。子育ての不安を解消し,母親の心身の安定や子どもの健やかな育ちを支援するために,福山市も対象期間の拡大を行うことを求めます。 以上についてお答えください。 動物愛護行政について。 2019年6月,動物愛護法が改正されました。主な内容として,ブリーダーや繁殖業者にマイクロチップ装着と登録を義務づけ,一般の飼い主は努力義務を課す,動物虐待罪について,ペットの殺傷に対する罰則を現行の2年以下の懲役または200万円以下の罰金から,5年以下の懲役または500万円以下の罰金に厳罰化,生後56日以下の犬や猫の販売を禁止するなどが定められました。 そのほかに,周辺の生活環境が損なわれている事態が生じていると認めるときは,その事態の改善に必要な指導,助言,報告の徴収及び立入検査ができるなど,不適正飼養に係る都道府県知事による指導等が拡充されました。また,犬または猫の所有者は,適正飼養が困難となるおそれがあると認める場合は,その繁殖防止のため生殖を不能にする手術,その他の措置を講じなければならないと,繁殖制限を義務化しました。今回の法改正により,多頭飼育崩壊などを未然に防ぐことや動物虐待防止に対する取り組みが前進することを期待するものです。 そこで,福山市における幾つかの問題についてお尋ねいたします。 福山市動物愛護センターは,近年犬猫殺処分ゼロを目指す取り組みを進め,譲渡活動に力を尽くし,保護犬猫の愛護団体やボランティアへの譲渡も進めてきたところです。しかし,その後について,各愛護団体やボランティアの方からは,特に成犬や元野犬の譲渡が進みにくく,各施設が慢性的な満杯状態が続いているとのことであります。また,病気や負傷した犬猫の治療費や不妊,去勢にかかる費用の負担に苦しんでいます。 まず,動物愛護センターの施設を拡充し,収容数を抜本的にふやすことを求めるものです。そして,野犬の積極的な保護を進め,野犬ゼロも実現することを求めるものです。 動物愛護センターでは,地域猫について不妊,去勢に取り組んでいるところですが,その範囲を広げ,愛護団体やボランティアの保護犬についても不妊,去勢に取り組むこと,あるいは助成制度を創設することを求めるものです。御所見をお示しください。 次に,同法の改正では,動物行政を担う地方公共団体における動物愛護管理担当職員を拡充するとともに,動物愛護推進員の委嘱を努力義務としました。福山市における職員増員計画や取り組みの具体をお示しください。 福山駅周辺の開発について。 福山市は,福山城の背景の景観保全を目的に,福山駅北側35ヘクタールを景観地区として都市計画決定し,高さ規制を行うとしています。既に15メートルの高さ規制がある福山城公園一帯の風致地区31.7ヘクタールの東西に,高さ23メートル以下とする内エリア,約19ヘクタール,その外側に高さ31メートル以下とする外エリア,約16ヘクタールを設定し,お城の眺望を確保するとのことであります。 ところが,JR西日本と福山市は,市有地とJR所有地を交換し,駅北側広場西側に6階建てのホテル,東側に5階建ての立体駐車場を建設することを予定しています。これらの建物ができ上がれば,お城周辺の空間が失われ,東側からの眺望は阻害され,地面からそり上がる石垣の稜線は見通せなくなってしまいます。高さ制限の効果を打ち消すほどの景観破壊を生じかねません。 さらに,JR西日本は,新たに建設するビルとさんすてを一体化し,福山駅に南北の通路を設置するということであり,市長は高い期待を示されました。現在,JR駅舎の南北への通過は駅舎内の1階平面空間を移動していますが,新たな南北の通路はどこにどのような形で設置されると想定しているのか,お示しください。 駅南側については,経済活動への影響を踏まえ,制限しない方針とのことであります。今後,駅南側では民間事業者が新たなビルを建設することを計画しています。新聞報道では,旧キャスパとと~ぶホテルのビルの2棟を解体して複合商業施設3棟を跡地に建設するとのことで,北棟は22階建てで5階以上をマンションとし,中棟は10階建て,南棟は13階建てとし,3つの棟は1,2階の商業施設でつながるとのことであります。新ビルは,駅に面した北棟には巨大な三角形の入り口と階段を設け,駅利用者の出入りを促すとしています。そのほかにも駅南側にマンションが建設中であり,現在でも駅南側からはお城がほとんど見られませんが,一層高層ビルに埋もれてしまい,お城の存在すら薄れてしまいます。これらの開発で福山駅周辺はどのような景観となるのか,全容がつかめません。 枝廣市長は,就任以来,福山駅前再生協議会などを通し,福山駅前のコンセプトや再生の方向性について議論を重ね,再生ビジョンではイメージ図が描かれたところであります。そのイメージ図の中心には福山城が高くそびえ,駅前の空間広場には緑や花があふれています。市民の意見が取り入れられた再生ビジョンのイメージ図や福山市景観計画がある中,福山駅前で今後計画される個々の事業に対する市民の合意形成はどのようにされるのか,お示しください。 また,現在伏見町は,市街地再開発準備組合を解散し,リノベーションによるまちづくりを進めていますが,三之丸地区の再開発を受けて新たな再開発の計画が起こされているのかどうか,お示しください。 以上,それぞれについてお答えください。 商工行政について,リム・ふくやまの今後のあり方について伺います。 9月3日の本会議において,西町の商業施設リム・ふくやまに関する損害賠償に係る専決処分の報告がありました。内容は,2019年7月9日の午前10時ごろ,漏水事故が発生し,36万4343円分の家電製品が損傷したため賠償するというものです。 同ビルは大和情報サービスへ管理運営を委託していますが,同社に対しては,設備を最良に保ち,故障を予防するため,毎月税抜きで1556万円余もの高額な管理費を支払っています。それにもかかわらず,このような事故が発生したことは,極めて遺憾です。 本会議では,初日の質問に対して,施設の日々の点検では漏水箇所の特定には至らなかったとのことですが,建物の老朽化が深刻なレベルで進行していることが思料されます。さまざまなリスクが発生しているとの答弁がありましたが,詳細な内容をお答えください。 我が党は同ビルについて,老朽化の進行だけでなく,空きテナントが多く,維持管理費など経費が高額であるため,6月議会では,減築や閉鎖リノベーションではなく,解体し売却することを求めてきました。仮に解体,売却した際には解体費が約30億円程度,売却益が10ないし15億円程度と,大まかな概算しか示されておりません。しかし,このような巨大施設の解体には,設計図面だけでなく,施工図面や現場の施工状況の確認など,詳細な調査をしなければ見積額は算定できないと言われています。解体のための詳細な見積もりを早急に行うべきですが,お答えください。 同館はテナントをサブリースしていますが,国は今後住宅のサブリースについて規制する新法制定を検討していると報じられています。サブリースや再委託,再々委託を繰り返して商業施設を運営すること自体,自治体として行うべきではありません。 市長は,今後について,あるべき機能の検討や費用対効果の詳細な比較などを行い,今年度中には方向性を出すと答弁しました。大和情報サービスとの契約は2023年4月24日までですが,2020年4月25日以降には解約できることになっており,それらを踏まえれば,少なくともことしじゅうには明確な方向性を出すべきです。旧そごうから同館を購入したことにとどまらず,多額の経費を投入して運営し続けることは,政策判断の誤りです。従業員らの雇用確保を検討する仕組みを整え,速やかに解体し売却することを求めます。 以上についてお答えください。 農林水産行政について,農薬問題と学校給食への安全な食材提供について伺います。 1990年初頭,ヨーロッパ諸国でミツバチの大量失踪が問題になり,その後の研究で2012年にハチの大量失踪はネオニコチノイド系農薬が主原因だとわかってきました。以後,ネオニコ農薬と呼ばさせていただきます。 ネオニコ農薬は,有機リン系にかわる農薬として90年代に開発された殺虫剤で,虫にはよく効くが人には安全,無臭無色で環境保全型であると宣伝されてきましたが,浸透性が強く,散布されると根,葉,茎,果実に浸透し,洗っても落ちない,地中に長期に残留し,河川の汚染を引き起こす,神経伝達物質アセチルコリンの受容体に結合し,アセチルコリンを介した神経伝達を攪乱する神経毒性があるという危険な特徴があります。 ネオニコ農薬は,ハチだけでなく昆虫,両生類,鳥など生態系への悪影響が確認されています。人体への影響,とりわけ子どもへの影響が懸念されます。 最近,自閉症,ADHDなど発達障害が急増しており,社会問題となっています。従来,発達障害は遺伝要因が大きいと言われてきましたが,膨大な遺伝子研究が行われた結果,遺伝要因よりも環境要因が大きいことが明らかになってきました。環境要因は多様ですが,中でも農薬など環境化学物質の暴露が疑われています。 2010年ごろから有機リン系農薬暴露が発達障害のリスクを上げることを示す論文が多数発表され,2012年,米国小児科学会は,農薬暴露は子どもに発達障害,脳腫瘍などの健康被害を起こすと公的に警告しました。神経毒性は,人を含む多くの動物の神経細胞にあるニコチン性アセチルコリン受容体に結びつき,正常な神経伝達を乱します。EUは神経毒性について人の神経発達障害と関連する可能性を公式発表しましたが,ADHDや自閉症との関連も懸念されています。日本でも,ことし6月12日,環境化学討論会の口頭発表で北海道大学の研究チームから,母親が食べ物から摂取したネオニコ農薬は胎盤を通り抜けて胎児にも移行することが報告されました。 海外では,ネオニコ農薬使用の厳しい規制が行われ,EUは2018年4月,5種類中3種について屋外使用を禁止,フランス,オランダも全面禁止,ドイツ,イタリア,アメリカ,カナダ,ブラジル,韓国,台湾などでも品目により使用規制や禁止が行われています。 ところが,日本ではホウレンソウで3ppmから40ppmへ,春菊とレタスで5ppmから10ppmへ,イチゴは3ppmでEUの60倍,お茶の30ppmに至ってはEUの600倍に変更されるなど,残留基準値は海外と比べて格段に緩くなり,現在,EUやアメリカなどで排斥されたネオニコ農薬が国内の水稲の虫害予防や除草剤として大量に販売されています。 市長はネオニコ農薬についてどのような知見,認識をお持ちでしょうか,御所見をお示しください。 また,市内の農業者に対して,神経毒性を持つ農薬は使わず,減農薬農業の推奨を強めることを求めるものです。特に,学校給食の食材は,有機栽培や減農薬栽培などの安全な野菜の地産地消を進めることを求めるものです。さらに,JAと共同して調査研究し,国に対してネオニコ農薬の規制強化や使用禁止を求めてください。 以上,それぞれについて御所見をお示しください。 最後に教育行政,通級指導教室利用について伺います。 福山市教育委員会は,来年度の保護者に対する就学説明会などの場で,現在入学時から受け入れを行っている1年生からの情緒通級指導教室について,原則2年生以上とするとの説明を行いました。 通級指導教室は,言語と情緒通級指導教室の2種類があり,小中学校の通常学級に在籍している軽度の障害のある子どもに対し,ほとんどの授業を通常学級で行いながら,障害による学習や生活上の困難を改善,克服することを目的として通級による指導を行う場です。通常学級に在籍しながら,週1回程度の通級指導で,就学前の療育が引き継がれ,小学校に入学したばかりの子どもや保護者にとって安心の場となってきました。 今回の方針に対し,保護者らから,情緒通級指導教室の対象から小学1年生を除外しないことを求める要望が2518人分の署名とともに提出されました。ある保護者は,これまで療育で土台をしっかりとつくってきたのに,入学と同時に支援が途切れることは不安で仕方がないと切実な思いを話していました。また,通級に子どもを通わせた経験のある別の保護者は,小学校へ入学するときが最も不安が強かったが,親子で支援をしてもらい救われた。多くの保護者が,通級に救われたが,これを1年生からなくすのは子育て不安を取り除くことにはならないと話していました。2518人分の署名には,このような保護者の思いが込められています。署名をどのように受けとめたのか,お答えください。 また,1年生を除外し,2年生からの実施とする理由及び方針は,どのような経過,議論で出てきたのか,お答えください。 さらに,経費の削減額があれば,その金額をお答えください。 文科省が作成した通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果には,教育委員会に対して,学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒に対しては特に早期からの対応が必要であり,そのための取り組みが求められると指示しています。さらに,同省の障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援についてとする通知には,市町村の教育委員会は,医療,保健,福祉,労働等の関係機関と連携を図りつつ,乳幼児期から学校卒業までの一貫した教育相談体制の整備を進めることが重要であるとしています。 本市のこれまでの通級指導教室は,幼稚園や保育所から小学校へ,保護者と小学校の教員,あるいは関係機関と連携するなど,文字どおり早期に一貫した支援が行われ,学校側も安心して子どもを迎える準備をすることができました。ところが,今回の方針はこれまでの安心して子育てができる環境を壊すものであり,子育て支援の後退そのものです。このような方針は撤回するべきです。来年度も情緒通級指導教室は1年生から利用できよう,現行制度を継続することを求めます。 以上について御所見をお示しください。 以上であります。御清聴ありがとうございました。 (枝廣直幹市長登壇) ◎市長(枝廣直幹) 村井議員の御質問にお答えいたします。 初めに,参議院議員選挙の結果の受けとめについてであります。 今回の選挙は,年金,消費税,改憲,雇用,経済政策など多様な争点の中での選挙でありました。当選された議員の方々には,国民の声にしっかりと耳を傾け,国政に邁進していただきたいと思っております。 次に,憲法第9条についてであります。 我が国の今日の平和と繁栄には,憲法第9条が大きな役割を果たしてきたものと考えています。国においては,今後とも平和の精神を尊重し,国民の生命と安全を基底とした議論がなされるよう願うものであります。 次に,投票率についてであります。 全国的に今回の投票率が低かった要因として,政治離れの傾向の中で選挙の争点が明確化しなかったことなど,さまざまな指摘がなされています。本市においても,特に若年層を中心に有権者の政治離れが進んでいるものと考えています。 選挙管理委員会では,福山市明るい選挙推進協議会等と連携,協力し,各種イベントでの積極的な選挙啓発や模擬投票などの選挙出前講座を実施しています。加えて,主権者教育にも力を入れるなど,若年層の意識を高めてまいりたいと考えています。 次に,高齢者の参政権についてであります。 郵便等投票制度の対象拡大につきましては,本市が加入する全国市区選挙管理委員会連合会より,国に対して要請がなされています。また,投票所への車椅子の配備や簡易スロープ配置によるバリアフリー化などにこれまでも取り組んでおり,引き続き高齢者の方の投票しやすい環境の整備に努めてまいります。 次に,福山市公共施設等サービス再構築基本方針についてであります。 まず,計画推進のあり方についてであります。本方針は,人口減少や施設の老朽化等が進む中で,公共施設等による市民サービスを維持していくために必要な取り組みと考えています。 次に,全国の数値目標の設定状況であります。2019年平成31年3月末現在で,全国の策定済みの団体のうち市町村の約54%,中核市では約65%が数値目標を設定しています。 また,本方針は,市民に必要な公共施設等のサービスが維持され,持続可能なまちづくりにつなげていくことを目的とするものであり,同様の取り組みを進める備後圏域の各市町とも連携を図ってまいります。 公共施設の縮減の具体についてですが,20%の縮減目標は本市全体の公共施設についてお示ししているものであり,施設の用途区分ごとの目標ではありません。 次に,本方針と福山市学校規模・学校配置の適正化計画との関係についてお尋ねがありました。 本適正化計画は,児童生徒数の減少が進む中,子どもたちの適切な教育環境を整備するものであり,社会の変化に柔軟に対応し,最適な公共サービスを提供するという観点から,本方針の考え方に沿うものであります。公共施設の再整備に当たりましては,これまでと同様,住民の方々や関係者と十分に話し合い,理解を得ながら進んでまいります。 次に,公共施設の管理運営については,これまで同様,行政責任をしっかり果たしながら,公と民との役割分担を明確にし,指定管理者制度や民間委託などの民間活力の導入を進めることにより,一層効率的,効果的な行政サービスの提供に努めてまいります。 次に,子ども医療費助成制度についてであります。 まず,制度拡充に対する評価についてであります。2017年度平成29年度に実施した子どもの生活に関する実態調査結果において,生活困窮層における医療の受診抑制の課題が浮き彫りになりました。今回の制度の拡充は,子どもの貧困対策として意味があるものと考えています。また,昨年度実施した子ども・子育て支援事業計画に関するニーズ調査においても,子育て家庭の経済的支援として要望の高かった項目であり,それに応えるものと考えています。 次に,一部負担金と所得制限を撤廃した場合の所要額についてであります。一部負担金については,年度中途であり,月ごとの変動も大きいこと,また所得制限については推計人数が算出できないことから,いずれもお示しすることができません。 子どもの医療費助成制度のさらなる拡充については考えていません。 次に,妊産婦医療費助成制度についてであります。 本市では,妊婦に対して妊婦健診や妊婦歯科健診を行っており,産婦に対しては産前・産後サポート事業,産後ケア事業,産後ヘルパー派遣事業を実施しています。このように妊産婦の病気の早期発見や健康増進,また経済的負担の軽減を図っています。 妊産婦の医療に対する市独自の助成制度の創設は考えていません。 次に,産後ケア事業についてであります。 産後ケア事業は,退院直後の母子に対して授乳や育児技術の指導,育児相談等,心身の専門的ケアやサポートを行うものです。本市では,産後に家族等から支援を受けられない人のうち,心身の不調や育児に不安のある人を対象として,宿泊または通所で実施しています。さらに,生後4カ月までのこんにちは赤ちゃん訪問や産科医療機関からの連絡により,産後鬱が疑われる場合は保健師が継続して支援をしています。 産後ケア事業の対象期間については,産婦アンケートで退院直後から2カ月ごろまでの不安が強かったことや,2カ月を過ぎると子どもの予防接種等で外出する機会がふえ,あのねなどの相談窓口等が利用しやすくなることから,2カ月と設定をしています。 次に,動物愛護行政についてであります。 まず,動物愛護センターでは,収用した犬猫について適切な管理を行っており,施設の拡充については現時点で考えていません。 次に,野犬の積極的な保護についてであります。野犬の保護については,愛護センター職員が現地に出向き,直接保護活動を行うほか,周辺住民の方に御協力をいただき,保護器を設置しています。また,市民に対しては,無責任に餌を与えたりすることで野犬をふやさないよう,周知,啓発を行っています。 次に,保護した犬の不妊去勢手術についてであります。現在,愛護センターに保護した犬の譲渡を行う場合は,譲渡先である愛護団体やボランティアの方に不妊去勢手術の必要性などについて説明し,理解をいただいた上で譲渡を行っています。保護した犬の不妊去勢手術の助成等については考えていません。 次に,動物愛護センターの職員体制等についてであります。現在,愛護センターには獣医師,技術員,動物看護師を配置し,それぞれの持つ専門性や経験を生かし,動物愛護業務に当たっています。また,動物愛護推進員を委嘱し,犬猫の譲渡や適正飼養について必要な助言等をしていただき,本市行政をサポートしていただいています。 次に,福山駅周辺の開発についてであります。 まず,本年,2019年令和元年7月8日に本市とJR西日本が締結をした福山駅北口広場の整備等に関する協定書に基づき,福山駅前周辺と北口広場の南北交流軸の形成に向け,今後JR西日本とその具体について協議をしていくことにしています。 次に,駅前再生の事業に対する市民の合意形成についてであります。駅前再生ビジョンは,行政,市民,民間事業者が駅前再生の方向性を共有するものとして,福山駅前再生協議会において官民連携で議論をし,パブリックコメントなどにより市民の意見も伺いながら策定をいたしました。このように,駅前再生に係る公共事業については市民の合意形成を図りながら取り組んでいきます。 また,民間事業に対しては,駅前再生ビジョンの考え方を共有するよう,理解と協力を求めていきます。特に,旧キャスパなどエリア価値に影響を及ぼす大型事業を行う施行者に対しては,市民の意見が取り入れられた駅前再生ビジョンや景観計画の内容に即した事業とされるよう,要請をしています。 次に,新たな再開発の計画についてであります。現在,伏見町内での市街地再開発事業の具体的な動きはありませんが,リノベーションまちづくりによって次々に店舗がオープンすることにより,再生の兆しが見え始めているところであります。 次に,エフピコRiMについてであります。 エフピコRiMにおいては,建物や設備の経年劣化により,外壁のひび割れ,漏水,照明の不点灯や空調機能の低下などが発生しています。今後については,昨年度行った再生手法に関する調査結果を踏まえ,また福山駅前再生の取り組みとも連動し,あるべき機能の検討や費用対効果の詳細な比較を行い,方向性を出してまいります。 次に,農薬問題についてであります。 ネオニコチノイド系農薬とは,古くから殺虫剤として使用されているニコチンをもとに,人など哺乳類に対する毒性を低減して開発された農薬と聞いています。これを含め,農薬は農薬取締法に基づき,国が審査し安全性を確認されたものについて使用基準を設けて販売,使用を許可されています。 また,本市では,地産地消推進運動の取り組みの中で,農薬の安全で適正な使用の技術指導や化学肥料,農薬の低減化など,環境保全型農業の推進に取り組んでいます。学校給食で使用する食材は,食品衛生法などに基づき管理され,市場に流通しているものであります。引き続き,新鮮な地場産物を使用しながら,安全・安心な給食の提供に努めてまいります。 なお,国においては,農薬取締法の改正に伴い,人や環境への安全性を一層向上させるため,ネオニコチノイド系を含め全ての農薬について再評価を行う予定と聞いています。この結果を注視してまいります。 以上で,村井議員の御質問に対する答弁といたします。 教育行政については,教育長から答弁をいたします。 (三好雅章教育長登壇) ◎教育長(三好雅章) 教育行政についてお答えいたします。 初めに,通級指導教室利用に係る署名の受けとめについてです。署名でいただいている声に応えるべく,これまで各学校では,子どもたちが多様性を認め合いながら学ぶことができるよう,授業を中心に取り組んでいます。 次に,実施に向けた経過,議論についてです。現在,支援が必要な子どもに対しては,個別の指導計画に基づき,子どもの実態や特性に応じた具体的な支援について保護者,教職員,医療や福祉等の関係機関と連携し取り組んでいます。このような取り組みを進めている中,学習・生活環境が大きく変化する小学校1年生での日々の学校生活の状況を見ながら情緒通級指導教室の利用が必要かどうかを判断することがより適切であるとの医師など専門家の意見を踏まえて決定しました。 しかしながら,1年生の学校生活において子どもや保護者が不安や困り感を持つことがあった場合,通級指導教室担当教諭が思いを聞いたり必要に応じて支援を行ったりします。 なお,実施に伴う経費の削減はありません。 次に,現行制度の継続についてですが,継続は考えておりません。 以上,教育行政の答弁といたします。 ◆38番(村井明美) まず,参議院選挙であります。 この参議院選挙の結果については,有権者の政治離れに言及されました。一番の大きな原因は政治不信,少々意思表示や行動をしても政治は変わらないという考えを国民が持つとしたら,これはとても大変なことだと思うわけです。ぜひ,政治は市民の願いに応える,市民の声で動くという方向性を国や地方自治体がつくり出していくということが今求められているのだというふうに考えます。 それは置いておきますが,高齢者の参政権の保障問題です。 ちょっと団体名は聞き忘れましたけれども,国へ要請をしているという答弁でした。具体的にはどのような改善を要望しておられるのか,中身がわかればお知らせください。 ◎総務部長兼選挙管理委員会事務局参与(藤井康弘) 要請の内容でございますけども,現在全国市区選挙管理委員会連合会,これは各全国の市でありますとか区が参加している,そういった団体のほうから国のほうに要請をしているものでございます。 具体的な内容につきましては,現在郵便等の投票を行うことができますのが,身体障害者手帳等をお持ちの身体に重度な障害がある方でございます。そういった,例えば介護の状態が要介護5である方,そういった方に限られてますけども,今要請を行っているのが,要介護者でありますと介護要件が要介護5から要介護3以上の拡大を要請しているというものでございます。 以上でございます。 ◆38番(村井明美) 要介護3までの拡充を要望ということでした。私どもも,今度の選挙の中で有権者の方と話をしていく中,もう高齢になったから体がふらつくので投票には出かけられないという声をたくさん聞きました。やはり,在宅投票の範囲が広がれば,そういう政治参加の意思を持ちながら,なかなか投票に行けないという方の参政権を保障できますので,これは市としても,全国の市長会なども通しながら在宅投票の拡大に力を尽くしていただきたいと思います。 それと,新聞報道では,葦陽高校で2年生を対象に主権者意識を高めるための出前講座で模擬投票体験を行ったとのことです。この効果や,どれくらいの学校でこれに取り組まれているのか,お示しください。 ◎総務部長兼選挙管理委員会事務局参与(藤井康弘) 現在,選挙管理委員会では,さまざまなところで出前講座,模擬投票,そういったものを行っています。昨年度2018年度平成30年度で申しますと,小学校2校,高校7校,特別支援学校2校の合計11校で出前講座のほうを開催をいたしております。 また,今年度も葦陽高校等で開催いたしましたけども,開催するに当たりまして,やはり生徒のほうから,改めて選挙の重要性,意義,そういったものを学ぶことができたということと,そういった政治に関心を持つ,そしてそういったものに参加していくことの重要性,そういったものがしっかりと出前講座を通して体感できたというふうに伺っております。 以上でございます。 ◆38番(村井明美) このような取り組みをさらに広げていただくということを要望いたしておきます。 しかし,一番問題なのは,18歳,19歳の若いところで参加が下がったということの中で,一番懸念するのは主権者意識,若い人たちが主権者意識を持っているのかどうか,そこに至るまでの教育の中で主権者教育というものはきちんと行われたのかどうか,それが一番気にかかるところです。子どもたちの主権者教育については,投票などのあり方という技術的な問題ではなく,生徒を育てていく上の本質的なところだと思うのですけれども,それについてはどのように主権者教育を進めていかれようとしているのでしょうか。 ◎学校教育部長(田丸誠) 主権者教育ということですが,主権者の心構えといいますか,そういったことについて,例えば社会に参画をしていく,子どもたちが社会にどうかかわっていくかということは社会科の授業や公民の授業で当然やっておりますし,また今授業の中で子どもたちが主体的になっていくということを目指しております。これは,もちろん広く社会に対しても,みずからが社会にどうかかわっていくかということについても主体的になっていくということですので,そういった意味で,あらゆる方面で子どもたちの主体を育てるということで,主権者意識にもつながっていくと考えております。 以上です。 ◆38番(村井明美) ぜひ,子どもの意見表明権であるとか,それから子どもたちの自治活動,将来の民主的な人格の形成,民主社会の一員としての主権者意識というものをしっかりと育てる,そのためには一人一人の子どもたちが本当に伸び伸びと自分らしき生きていくということが必要ですので,あらゆる面で教育の中でその点を貫いていただくということを要望いたしておきます。 次に,公共施設等サービス再構築基本方針について伺います。 質問の中で,この数値目標を達成したら,福山市や備後圏域はどのような状況となると認識しておられるのかとお尋ねいたしましたが,これに対しては明確なお答えがなかったように思います。ぜひ,もう一度お答えください。 ◎地域活性化担当部長(岩本信一郎) 公共施設等サービス再構築基本方針についてのお尋ねでございます。 こちらの目的は,先ほど市長御答弁いたしました,人口減少が進む中で老朽化がさらに進んでまいります。そうした公共施設等のサービスを維持していくために必要な取り組みであるというふうに考えております。 この計画が実現をされましたときには,圏域においても同様の計画を策定をしておりますので,こうした公共施設の再整備が進み,必要なサービスが提供できる体制が整うものというふうに考えております。 以上でございます。 ◆38番(村井明美) 私どもの受けとめとは随分印象が違うというふうに思うんです。今,市町村合併等が行われて市域が広くなりまして,人員削減であるとか,役場が支所になったりということが進んできたわけですけれども,さらに連携中枢都市構想や立地適正化計画というものの中で,拠点的なサービスが受けられる地域を定めていくというふうなことも進められています。そういう中で,さらに年度の中でどれぐらい公共施設を削減するかという数字先行で物事が進んでいくならば,それぞれの地域できちんとしたサービスが受けられなくなるという状況が生まれるのではないかというふうに思うんですけれども,この公共施設を削減することによって,サービスがきちんと受けられない地域が生まれてくるというふうなことについては,どのように捉えていらっしゃるんでしょうか。 ◎地域活性化担当部長(岩本信一郎) 公共施設についての再度のお尋ねでございます。 この基本方針でございますけれども,そうした過疎が進むような地域にあって,そのサービスをなくしていこうというものではございません。例えば,そういった地域でも同様な機能がございましたら,そういったものを集約,複合化したり,あるいは余裕スペースがあればほかのものを合築をしていく,そういったことをしながらサービスの維持に努めていくといった目的でつくっておるものでございます。ですので,削減するということが目的ではございませんので,よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◆38番(村井明美) 先ほどの答弁の中では,学校統廃合計画は子どもたちに適切な教育の環境をということと同時に,この計画と整合性があるというふうにお答えになりました。しかし,今実際に統廃合問題に関しては,地域の方々から,ほとんどの方が学校をなくさないでほしいという強い要望があります。 ところが,数値目標と整合性を持たせながら進めていくというやり方では,本当に地域の方々の願いに即した計画にはならないのではないか,やはり数値目標優先で進んでいくのではないかという懸念をするものです。こういうあり方については,問題があるというふうに思うんですけれども,いかがでしょうか。 ◎地域活性化担当部長(岩本信一郎) 学校の計画と本基本方針の関係についての再度のお尋ねでございます。 先ほど市長が御答弁させていただきましたけれども,学校の適正化計画につきましては,児童生徒の減少が進む中で子どもの適切な教育環境を整備するために行うということでございます。また,この基本方針につきましても,公共施設をしっかりと維持していくために行うものということで,基本的には方向性は整合が図られてるものというふうに考えております。 以上でございます。 ◆38番(村井明美) これまで福山市が歩んできた平成の大合併,そして連携中枢都市構想,さらには公共施設の整備ということの中で,この姿がどうなのかということをお伺いしましたけれども,やはり形を変えたさらなる市町村合併,さらなる自治体統合,自治体の枠を超えていくというふうな姿が見えてくるわけです。 福山市は,連携中枢都市構想でも,中枢都市に真っ先に手を上げて,トップランナーたる自覚を持って進めるというふうに言われました。このトップランナー方式というのは,このたびのような施設の統廃合を進めていく際に,国が,統合をすることによって施設の個数を減らして新しい施設をつくる場合にはさまざまな補助金をするというふうな財政措置をするわけですよね。そういう形で進めておられるわけで,こういったトップランナー方式でやっていくということ,もう一方ではPPP,PFI方式で民間に必要な公務を委託していくという,これはこれまで培ってきた長年の自治体のあり方,とりわけ小さな自治体,そういうものを本当になくしていくというふうに思うわけです。 国が求める姿というのは,投資効果,税金を投入するという効果を最大限に引き出していくというために,逆に言えば,手間暇かかるところは削減されていくという,そういう状況が生まれていると思うんです。これは違うんじゃないかと,地方自治体のあり方としては。本来,地方自治体というのは,それぞれの地域の物理的,あるいは気象であるとか地形であるとか,そういうふうなものにも影響されながらそこに集まってきた人々が集落をつくり,コミュニケーションを育み,それが地方自治体の基礎となってきたわけです。これが今,経済効率によって全く姿を変えられようとしている,本来の地方自治のあり方そのものを変えていくのではないかと懸念するんですけれども,そのような認識はお持ちではないでしょうか。 ◎地域活性化担当部長(岩本信一郎) このたびの基本方針の改定に当たりましては,確かに国の通知があったということはございます。これにつきましては,例えば2012年12月,笹子トンネルの天板が崩落をし9名の方が亡くなられたという事故がございました。また,東日本大震災では,津波の被害ですとか,震度7の地域ではなかったにもかかわらず天井が崩落したという九段会館の事件がございました。こうした相次ぐ公共施設やインフラ施設の老朽化が原因によるそういった痛ましい事故を防ぐためにも,限られた財源の中で公共施設を良好な状態で保っていく必要があるというような考えから国においては示されているということでございます。 以上でございます。 ◆38番(村井明美) 今のこの問題については,今後さらに国が骨太方針等で生み出してきた,そういうものに沿って,福山市はトップランナーとしていろんな国の施策を率先的にやってきているわけですけれども,ぜひとも,地方自治体の成り立ちであるとか,何よりも主人公である市民,住民の願い抜きに数量的な削減というものは行わないということを強く要望いたします。 さまざまな中で財政的な問題を言われましたけれども,福山市は9月議会市長説明で,財政の健全化を示す健全化判断比率は,前年度に引き続き4つの指標全てが早期健全化基準内,市債残高も減ってる,その一方基金はふえてるというふうに,もう全国でも有数の財政力を持っておりますし,新聞でも実質収支は36年連続黒字というふうに示しています。財政的には,国が示すような数値目標でどんどんどんどん施設を縮減しなければならないという,そういう状況ではないというふうに思うんです。 人口減少ということに対しても,ぜひとも人口をふやしていくための施策は何かということをさらに深めていただいて,そういった国のトップランナーたるよりも,福山市津々浦々の歴史や,そして人々の暮らしというものを大切にしたまちづくりに地方自治体の長として邁進していただくということを要望いたしておきます。 次に,妊産婦の助成問題です。 福山市は,ネウボラ事業を進めて,さまざまな面で子育てや妊婦の支援なども行ってきたところです。それでもまだ宇都宮と大きな差があるなあというふうに感じたのは,妊産婦の医療費助成制度なんです。やっぱり,高血圧であるとか,それから妊婦糖尿病などになると,母子の命にかかわる。そこで医療を受けることがためらわれてはならないという点で,ぜひ妊産婦医療費助成というものを研究し,実現に向けて努力をしていただきたいと思います。 それともう一つは,産後ケア事業の問題では,ぜひ,産後鬱に対するサポートを強めていただきたいと思います。 国立育成医療研究センターが昨年発表した2015年,16年の2年間の人口動態統計を活用した出産後1年未満に死亡したお母さん,その分析結果,自殺が92人で最も多かった。そして,その自殺という状況が出てきたのが1カ月,3カ月,4カ月,8カ月,9カ月,1年というふうに2カ月以降にもたくさん出ています。そして,最近ではお母さんが子どもの命を奪ったという報道もされました。小さな赤ちゃんの命を奪ったというふうな悲惨な事件がありましたけれども,この方は産後鬱であったということが明らかになりました。そういう点で,産後鬱,これの把握とサポート,そこにも着目をしたさらなるネウボラ事業の拡充をしていただきたいと思うのですが,どのように受けとめていただけるでしょうか。 ◎保健所長兼保健部長(田中知徳) 産後鬱に対する本市の取り組み,受けとめ方,これについてのお尋ねでございますが,昨日他の議員の御質問にもお答えしましたように,産後鬱に対しての本市の取り組みの大きな特徴として2つ,1つは,4カ月までの乳児全戸訪問,いわゆるこんにちは赤ちゃん訪問事業の中で,これは保健師やキラキラサポーターさん,こういったボランティアの方もお願いしてやってる事業ですが,リスクのある家庭に対しては保健師など専門職が訪問いたしまして,その場面で自分でアンケートを書いていただくと,これは産後鬱質問票といいまして,産後鬱を早期発見,リスクを洗い出すという質問票でございますが,これを用いることでリスクのある方を洗い出して,継続的な保健師などによる支援,そして必要であれば心の健康相談などに対する医療へつなげるという,そういう取り組みを一つしております。 もう一つは,事業名といたしましては,すこやか育児サポート事業と申しまして,妊娠期から,産科にかかってるお母さんで不安があれば,小児科の先生もしくは行政の保健師へ相談して継続的な支援につなげる。また,これは子どもさんが生まれた後も,小児科の先生が何らかのリスク,これは精神的な面や子育てに対するリスクがあれば,また保健師などに継続支援を依頼してくるという,そうした事業をもちまして産後鬱には取り組んできているところでございます。 確かに,議員御指摘のように,産後鬱というのは非常に産前産後の中で大きな問題の一つとして捉えておりますので,こういった事業をさらに進めて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆38番(村井明美) よろしくお願いします。 時間が少なくなってまいりました。2点,お伺いをいたします。 1つは,商工行政について,リム・ふくやまの今後のあり方を考える上で,解体のための詳細な見積もりを行っていただきたいというふうに思うのですけれども,それをきちんとやらないと比較考量ができないと思うんです。その点を再度お答えいただきたいということと,一度に2つして申しわけないんですけれども,ぜひ,1年生からの通級指導,これに対しては,これまである福山市におけるサポートの重要なものでございますから,ぜひ続けて1年生からの通級指導を継続し,新たに小学校1年生になる親子の不安を取り除いていただきたい。ぜひ,これは復活をしていただきたいというふうに思うわけですけれども,再度お答えください。 一言。やるかやらんか。秒しかないから。 ◎経済部長兼福山駅前再生推進部参与兼農業委員会事務局参与(岩木則明) エフピコRiMに関しましての御質問でございます。 早くということですので,詳細な見積もりをするためには,詳細な調査というのが当然必要になってまいりますし,大規模な調査ということになってまいります。まずは,これからのあるべき方向性といったものをしっかりと検討した上で,詳細な調査については行ってまいる必要があろうというふうに思っておりますので,よろしくお願いいたします。(38番村井明美議員「教育」と呼ぶ) ◎学校教育部長(田丸誠) 現行制度の継続については,考えておりません。 以上です。 ◆38番(村井明美) それは,本当に入学前というのは大変な不安を持ってると思うんです。ましてや,発達に問題がある,そういうお母さんたちは,小学校に上がってこの子がやっていけるのだろうかという大変な不安を持っているときに,もうこの制度はやめますというのは,余りにも冷たい状況ではないでしょうか。 ○副議長(熊谷寿人) 村井議員,持ち時間が終了しました。質問を……。 ◆38番(村井明美) (続)ぜひ,再考していただくことを強く強く要望して,質問を終わります。よろしくお願いします。 (38番村井明美議員質問席を退席)(拍手) ────────────────── ○副議長(熊谷寿人) この際休憩いたします。          午後2時17分休憩 ──────────────────          午後2時45分再開 ○議長(早川佳行) 休憩前に引き続き,会議を開きます。 ────────────────── ○議長(早川佳行) この際,あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 ────────────────── ○議長(早川佳行) 次に,34番稲葉誠一郎議員。 (34番稲葉誠一郎議員登壇)(拍手) ◆34番(稲葉誠一郎) 誠友会の稲葉誠一郎です。一般質問をいたします。 各種税の収納状況についてお尋ねいたします。 平成27年度から平成29年度,過去3年間の各種税目の推移を見ますと,個人市民税は6億4506万円の増,法人市民税は1億4366万円の減,固定資産税は6億6692万円の増,軽自動車税は2億3117万円の増となっており,3年前と比較し4税目の合計は13億9949万円の増額となっています。 今後ますます少子・超高齢社会が進み,生産年齢人口の減少などを考えると,長期的な視点で見れば税収の見通しは厳しいものになるのではないかと懸念するところであり,収納率のさらなる向上対策に取り組む必要が求められるものと思います。 市税等の収納率は,景気の動向や社会情勢,税制改正のほか,納付環境の整備や税務行政の取り組みなど,さまざまな要因が影響を及ぼすものと思います。福山市の現状を見ると,現年分の納付率は過去最高を継続して更新しており,滞納繰越分の収納率との合計でも10年以上継続して最高となる実績を更新されています。 分納相談やコンビニでの納付を可能にするなど,今までも対策はとられていますが,より一層の収納率の向上のためには,現在取り組まれている公平,公正な滞納整理の推進もさることながら,時代に合った納付環境の拡充が重要ではないかと考えます。滞納整理における現状の取り組み状況と,平成30年度における差し押さえ件数と不納欠損金額の具体的な数字をお聞かせください。 また,クレジットによる納付など,納付しやすい環境の整備についてのお考えをお聞かせください。 災害への対応と防災対策についてお尋ねいたします。 災害が少ないと言われてきた福山市でしたが,平成28年,平成30年と隔年,水害に見舞われました。先日,新聞に復旧予定価格広島引き上げという見出しで,西日本豪雨被災地の復旧・復興工事で受注者が決まらない不調不落が相次いでいる問題で,中国整備局は広島県内で発注する全ての土木工事について予定価格を引き上げる特別な運用を始めるという報道がありましたが,本市の取り扱いについてお示しください。 6月議会において,福山市が行う災害復旧工事については全体で1583件あるとのことでしたが,現時点での進捗状況についてお示しください。 また,福山市内における国,県が行う道路や河川などの土木施設の災害復旧工事の進捗状況についてお示しください。 本年も8月14日,15日と大きな台風が中国地方を直撃する予報が出されたため,JRや飛行機も前日から計画運休,商業施設などでも前日から休業を決定し,福山市においても14日,15日に予定されていた二上りおどり,花火大会など夏祭りのイベントが中止されました。 尾道市では海に転落して死亡された方もおられるなど,全国的には大きな被害を受けた地域もありました。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに,被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。福山市においては,倒木や停電などの被害はありましたが,人的被害はなく,警戒されていた方々もほっとされたことと思います。 浸水対策については,平成30年7月豪雨により市内で大規模な浸水被害が多く発生したことを踏まえ,昨年8月,国,県,市で構成された福山市域における浸水対策協議会が設置され,3回の協議会を行い,本年2月8日に今後の浸水対策などについて取りまとめが発表されました。5年間の長期にわたる計画となっていますが,現状をお示しください。 先日,芦田川水害タイムラインが策定され,福山市長と府中市長に手渡されるところがテレビのニュースで放映されていました。昨年7月の西日本豪雨では,河川が氾濫,決壊し,各地で大きな被害が発生し,氾濫はしなかったものの氾濫危険水位を超えた河川も多数ありました。芦田川もその一つであったため,近隣の市民の皆さんの心配を軽減することができる一つの取り組みだと思います。このタイムラインの作成の経緯,対象事象,携わる団体をお尋ねいたします。あわせて,どのように運用されるのか,お示しください。 防災をテーマとした地域との意見交換会で,自主防災組織活動補助金について説明されたとのことです。マップの作成費10万円,資器材購入費10万円,倉庫の設置30万円で,合計の上限が30万円とのことです。 そこでお尋ねしますが,資器材については,どのような状況を想定して購入していただくのでしょうか。倉庫の設置場所はどこを想定しておられますか。それぞれの地域で防災に取り組んでいただくには大変有意義な施策だと思いますが,マップの更新や資器材のメンテナンスなど,今後の対応はどのように考えておられるのでしょうか。 先日も,テレビで30年以内に南海トラフによる巨大地震が起こる確率が70%から80%,経済損失は約170兆円という報道がされていました。水害の対策にあわせて地震が発生した場合の対策ですが,行政が行える対策は,ハード面の整備,情報の提供,継続して災害を意識していただく啓発活動だろうと思います。ハード面については,公共施設や学校施設の耐震化など,積極的に取り組んでいただいています。ソフト面の取り組みとして,今までに地域,団体,企業などから防災関連で出前講座など,依頼があった件数,参加された人数は現在どのような状況なのか,お尋ねいたします。 情報提供,意識啓発については,地域の自主防災組織や防災リーダー,まちづくり推進委員会の皆さんの協力をいただき,防災セミナーのような場を定期的に設けてはいかがでしょうか。その際,ハザードマップや避難場所などの情報を現実に見ていただきながら的確に情報を提供し,なるべく小さな単位で避難計画をシミュレーションし情報交換することなどがより多くの市民の方に意識を持っていただくことにつながると思いますが,いかがでしょうか。 また,3月議会で,防災重点ため池のハザードマップが完成し,地域の皆様に説明会を順次開催されるとの報告がありましたが,現状をお聞かせください。 鞆のまちづくりについてお尋ねいたします。 鞆のまちづくりについては,住民の皆さんの生活の場であることを念頭に置いた上で,福山市の観光の拠点としての整備も進めなくてはならない地域です。県事業も進展の兆しが見え,住民の皆さんの期待も大きいものと思います。 私は,鞆に行くたびに観光客の状況はどうかと,意識をしてさまざまな観点から見るようにしています。常に同じ時期,同じ時間に人数を数えたわけでなく,肌感覚ですが,近年では流星ワゴンが放送された年のゴールデンウイークがピークで,その後減少傾向にあるのではないかと思います。 毎年,鞆の浦の入り込み観光客数を発表されていますが,どのような方法でカウントし,現状をどう分析されているのでしょうか。 先日の新聞報道で,昨年の福山市の観光客数は約716万人で,令和3年までに800万人を目指すとありました。どのような方法でカウントされているのか,あわせてお尋ねいたします。 また,以前の質問で,観光地を目指すのであれば,日帰りの観光客数と宿泊の観光客数,それぞれ1人当たりの消費金額についても把握し,目標金額を定めて対策をするべきではないかと提言させていただきましたが,その後の対応をお答えください。 観光客数をふやすためには,住民の皆さん,行政それぞれ協力し取り組んでいただいていますが,大きなイベントとして鞆町並ひな祭や鞆の津八朔の馬出し,鞆の浦観光鯛網や鞆の浦弁天島花火大会,日韓トップ囲碁対局などがあると思いますが,現状と課題,今後の対応についてもお示しください。 鞆の浦が日本遺産に認定されて1年が経過いたしました。平成30年度4000万円,令和元年度2000万円,令和2年度1000万円,国から交付される補助金を活用して情報発信事業,人材育成事業,普及啓発事業,調査研究事業に取り組むことになっていますが,これまで取り組んだ内容と執行状況をお示しください。 あわせて,これまでの成果と課題についてお示しください。 鞆の浦歴史民俗資料館などの施設も大きな観光資源の一つだと思います。供用開始をして31年が経過しているため十分な観光資源として生かしていくためには改修が必要な部分もあるのではないかと思いますが,いかがでしょうか。現状と課題,今後の対策をお聞かせください。 福山城が開城400年を迎えるに当たり,さまざまな対応をされていますが,文化財を観光資源として活用することについて,さまざまな議論が起こっています。鞆の町並み保存も,所有者の皆さんの御協力をいただき,条例で定められ,国の重要伝統的建築物群保存地区に選定されて2年が過ぎようとしています。市単独の指定から国の選定を受けたことによって,修理・修景補助金など申請がどのように変わったのか,その周知の方法,現時点で把握している課題をお尋ねいたします。 先日の台風で,鞆町並み保存拠点施設として整備される予定の建物のトタンが剥がれ,近隣の駐車場に駐車している車に当たったそうです。過去に裏が崩れそうになるなど,近隣の住民の皆さんの心配に対応はしていただきましたが,古い建物のため,一日も早く工事に取りかかるべきと思います。運用に当たっては住民の皆さんの思いも伺っているようですが,重伝建の拠点となる施設とともに観光資源に資する施設となるよう整備すべきと考えますが,現時点で検討されている内容と整備の時期についてもお示しください。 町並みを守るために規制をかけた地域内に安全対策のために計画された鞆防災広場整備事業が,昨年凍結されました。住民の皆さんの安全,発災の時間帯によっては観光客の安全を守るために,早急に整備すべきと考えますが,いかがでしょうか。現状と今後の対応をお示しください。 広島県の事業についてですが,平成31年2月に開催された住民説明会で,山側トンネル,高潮対策,東西交通・交流拠点などの事業実施について住民の方は一定の理解はされたと思いますが,山側トンネルの進捗状況,今後の取り組みについてお示しください。また,東西交通・交流拠点の内容,完成時期についてもお尋ねいたします。 山側トンネルや東西交通・交流拠点が整備されると,鞆のまちづくりや観光にどのような効果が期待できるのでしょうか。 次に,まちづくり基金についてお尋ねいたします。 この基金も平成31年2月の住民説明会で広島県から説明があったもので,鞆の歴史,伝統文化などの価値を未来に継承するため,おおむね10年間で6億円を目標に国内外に広く寄附を募るとされています。本年4月に,広島県は専用のウエブサイト,鞆・一口町方衆応援プロジェクトを立ち上げ,寄附募集を始めていますが,現在の状況と今後の見通しをお示しください。あわせて,寄附金の使い道についてもお示しください。 また,平成27年度に広島県から本市に5億円の交付があり,福山市鞆町歴史的町並み保存基金に積み立て,重伝建地区の町並み保存に活用されていますが,現状と今後の見通しについてお尋ねいたします。 今後,県事業が具体的に実施されていく中,鞆のまちづくりにおける本市の役割をどのようにお考えでしょうか,お尋ねいたします。 駅前整備についてお尋ねいたします。 3年前,枝廣市長は5つの挑戦を公約に掲げ,市長選を戦われました。とりわけ,挑戦1の中心市街地の活性化,都市の魅力アップについては,福山駅前の再生を一丁目一番地の施策として明確に掲げられました。 市長就任後は行政主導で駅前再生に取り組み,平成29年3月には福山駅前再生ビジョンを策定され,昨年度から今年度にかけては,ビジョンを具現化するためのデザイン計画の策定に向けて取り組まれているところです。また同時に,人材育成事業であるリノベーションスクールを通じてまちづくりに必要な人材の発掘,育成を行い,駅前周辺エリアに民間投資を呼び込む取り組みを行われているところです。 これまでの取り組みにより,伏見町では10数店舗が出店され,三之丸町でも長年の懸案であった旧キャスパなどの跡地が再生に向けて動き出しました。このような状況の中,先月末の新聞報道では,駅前などの公共空間を生かした居心地がよく歩きたくなる町なかづくりに向け,国土交通省が全国で募ったウォーカブル推進都市に,広島県内では福山市と三原市が名乗りを上げたと報道がありました。 そこでお尋ねします。ウォーカブル推進都市とはどのような制度なのか。また,どのような考えでウォーカブル推進都市に賛同したのか,お尋ねいたします。 また,国土交通省によりますと,ウォーカブル推進都市になった地方公共団体と政策実施のパートナーとして,ともに具体的な取り組みを進めるとされております。今後,国とのパートナーとしてどのようにかかわっていくのか,お示しください。 また,ウォーカブル推進都市の考え方を現在策定中のデザイン計画にどのように反映していくのか,お答えください。 鞆の浦学園についてお尋ねいたします。 本市は,平成27年度,福山市に愛着と誇りを持ち,変化の厳しい社会をたくましく生きる子どもたちの育成を目指し,小中一貫教育を全面実施しました。鞆小学校と鞆中学校はそれに先駆け,平成25年度から2年間,モデル中学校区として小中一貫教育に先行して取り組みを始め,小中の教員が一体となって作成したカリキュラムを実施し,小中合同運動会の開催,観光地鞆の浦の魅力を発信する観光ボランティアガイドなどの取り組みから,さらなる成果を期待し,施設一体型の義務教育学校として整備することとなりました。 鞆の浦学園は,鞆のまちを発展させてきた先人の鞆スピリットを教育理念の中核と位置づけ,協働,挑戦,創造をキーワードに,みずから深く考え,多様な人々と協働し,答えのない課題に挑戦し続け,新たな価値を創造する人材を育成することを目標に掲げ,本年4月に開校し5カ月が経過いたしました。 そこでお尋ねしますが,柔軟な教育課程が編成できる義務教育学校のメリットを生かし,特色ある教育活動として新教科鞆学と全学年における外国語学習を展開しておられます。まず,これまでの取り組み状況をお聞かせください。 また,9学年の児童生徒が同じ学校で一緒に学校生活を送り,ともに学ぶことにより,どのようなよさがあるのか,児童生徒の現状と,あわせて保護者や地域の方からの意見などもお聞かせください。 さらに,教職員が前期課程と後期課程の9学年の子どもたちの教育にかかわることについて,指導面や学校運営面などどのように感じているのか,お知らせください。 また,鞆の浦学園は,学校自由選択制により市内全域から通学できることになっており,今年度前期課程3人,後期課程9人の児童生徒が校区外から通学していると伺っています。鞆の浦学園を選択した主な理由はどのようなものか,お知らせください。 グラウンドは,放課後,前期課程の児童の遊び場と後期課程の生徒のクラブ活動で使用が重なることもあるかと思いますが,クラブ活動などのグラウンド使用はどのように行っているのか,お聞かせください。 最後に,鞆の浦学園の将来像をどのように描いておられるのか,改めてお聞かせください。 以上です。御清聴ありがとうございました。 (枝廣直幹市長登壇) ◎市長(枝廣直幹) 稲葉議員の御質問にお答えいたします。 初めに,本市における滞納整理の現状についてであります。 ペイジー口座振替受付サービスを活用した口座振替を勧奨するとともに,コンビニ収納の利用拡大や納税案内センターによる納税勧奨の充実など,新たな滞納者を出さないよう取り組みを進めております。収納率向上に向けては,収入未済額の縮減を目指しており,その結果,2018年度平成30年度において現年度分の収納率が過去最高となる見込みであります。また,納付が困難な方については,年4回の特別催告月間を設け,夜間・日曜納税相談を実施するなど,納税相談の機会を確保する取り組みを重ねています。 しかし,さまざまな取り組みを行ったにもかかわらず納税に誠意を示さない滞納者に対しては,厳正な滞納処分を実施しています。2018年度平成30年度には,預金,給与,生命保険など2118件の差し押さえを行いました。 また,財産調査等により納税資力がないと判断できる場合は,滞納処分の執行を停止しています。2018年度平成30年度においては,約8600万円が不納欠損となる見込みです。 引き続き,自主財源の確保と市民負担の公平性の観点から,滞納要因を早期に把握する中で,それぞれの状況に応じた滞納整理に努めてまいります。 次に,納税しやすい環境整備についてであります。 総務省通信利用動向調査によれば,スマートフォンの世帯保有率は,2010年度平成22年度9.7%から2017年度平成29年度には75.1%と,7年間で約8倍に伸びています。このような急速なデジタル化を踏まえ,納税者の利便性のさらなる向上を図るため,本市においても2020年令和2年4月から,スマートフォン,タブレット端末を使用してのクレジットカード収納及びインターネットバンキング収納を導入いたします。この方法により,24時間場所を問わず納付することができるようになります。 今後も,費用対効果を踏まえる中で,納付しやすい環境整備に努めてまいります。 次に,災害復旧工事の予定価格についてであります。 国土交通省中国地方整備局は,災害復旧工事を含めた土木工事の入札において不調不落が増加していることから,広島県内で発注する直轄土木工事を対象として,本年8月から予定価格の引き上げを行いました。 本市発注の工事においては,これまで不調不落がほとんど発生していない状況を踏まえ,現時点では今年度の災害復旧工事の予定価格の引き上げは考えていません。今後においても,落札状況などを注視しながら,適正な予定価格を設定してまいります。 次に,災害復旧工事の進捗状況についてお尋ねがありました。 昨年の7月豪雨に伴う本市の土木施設や農業用施設などの災害復旧工事は,全体で1583件あり,本年8月末時点では1380件が契約済みで,残りの203件は発注準備中であります。全体の78.9%に当たる1249件が完成済みであります。工事期間が長期となる橋梁やため池などを除き,引き続き今年度内の完成に向けて全力で取り組んでまいります。 また,市内の国及び県の災害復旧工事の進捗状況についてお答えいたします。 国が管理する国道2号や芦田川の災害復旧工事は3件であり,全て契約済みで,そのうち2件が完成済みと聞いています。 県管理の道路や河川などの災害復旧工事は235件であり,全て契約済み,全体の20.4%に当たる48件が完成済みと伺っています。いずれも,現時点では,年度内の完成見込みと聞いています。 次に,浸水対策の現状についてであります。 これまで,国においては,芦田川の樹木伐採や土砂撤去を実施するとともに,市内の芦田川と高屋川に危機管理型水位計を15カ所設置しました。県においては,21河川の河道掘削,危機管理型水位計や仮設ポンプの設置,排水ポンプ車2台の新たな配備のほか,手城川のポンプ増設と福川の排水機場整備の設計を行っています。本市においても,河川,水路などの土砂撤去や排水機場への防水施設を設置したほか,手城川流域の雨水幹線とポンプ場を初め排水機などの設計を行うなど,それぞれが福山市域における浸水対策協議会で取りまとめた内容に基づき,着実に取り組みを進めています。おおむね5年間で抜本的な浸水対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に,芦田川水害タイムラインについてであります。 全国で洪水による大規模な被害が発生していることを受け,ことし5月に国土交通省や広島県,気象庁,福山市,府中市,警察,消防局,自衛隊,ライフライン機関,公共交通機関,そして報道機関の28機関が芦田川水害タイムライン検討会を立ち上げ,8月に完成をいたしました。芦田川流域の洪水や内水を対象に,関係機関において,災害が予想される3日前からのそれぞれの役割や防災行動を時系列に整理するものであります。これによりまして,それぞれの責任が明確化され,先を見越した早目早目の行動,そして防災行動の漏れの防止につながるものと考えています。 今後は毎年度検証し,より適切な対応につなげてまいります。 次に,自主防災組織活動補助金についてであります。 この補助金は,学区・地区防災避難計画の作成や総合防災訓練への参加を要件に,来年度までの2カ年を対象期間として防災資器材の購入費等を支援するものであります。 資器材については,避難場所や水防活動での発電機や投光器,備蓄食料,簡易トイレなどを対象に考えています。また,防災倉庫の設置場所については,災害から安全な場所を地域で準備をしていただきます。要望があれば,小学校のグラウンドの提供についても検討いたします。メンテナンスなどに関しては,地域にお願いすることとなります。 次に,防災関連での出前講座についてであります。 4月から8月末までに,防災リーダーの講師派遣が44件,避難行動要支援者に関する講座が22件,合計66件の申し込みがあり,その内訳は,地域からのものが55件,団体から5件,そして企業からが6件となっています。参加人数は,これまでに実施した51回の講座において合計2210人となっています。 次に,防災の意識啓発と情報提供については,これまで出前講座や研修会への防災リーダーの派遣,イベントを通じた啓発活動などに取り組んできました。単位町内会など小さな単位での定期的な防災セミナーなどについては,防災リーダーと連携し,役割分担を図る中で効果的に実施していきます。 また,今年度は学区・地区防災避難計画の作成が未作成の25学区に防災リーダーと出向き,ハザードマップなどを活用して作成の取り組みを進めてまいります。 次に,防災重点ため池のハザードマップについてであります。 新たに選定された防災重点ため池1110カ所のうち,既存の175カ所については本年2月にハザードマップを作成,公表し,5月に自治会連合会の8つのブロックで防災をテーマとした地域との意見交換会を実施しました。意見交換会では,自主防災組織の役員や自治会・町内会長にハザードマップに示す浸水が想定される範囲,浸水の深さ,浸水の到達時間,避難場所及び緊急連絡先等について説明をしました。また,その後,個別に説明を希望された5学区において説明会を行いました。 残る935カ所の防災重点ため池については,県において2021年令和3年6月を目途に浸水想定区域図を作成すると聞いています。本市では,県の浸水想定区域図の作成を待って,2022年度令和4年度までに順次ハザードマップを作成します。完成したところから地元説明会を始めていきます。 次に,鞆のまちづくりについてお尋ねがありました。 まず,鞆の浦の観光客数については,鞆の浦歴史民俗資料館やいろは丸展示館などの入館者数や観光ガイドの申込者数など11項目の合計人数の対前年比率を観光客数の伸び率とみなし,前年の観光客数に乗じて推計をしています。 鞆の浦の観光客数は,1990年代前半は115万人から135万人台で推移をしていました。1999年平成11年には,しまなみ海道の開通を機に170万人台となり,その後テレビのドラマの放映などのあった2010年平成22年には,過去最高の240万人を記録をしましたが,ここ数年は減少傾向にあります。 昨年は,対前年で8万人減少の204万人となりましたが,豪雨災害の影響と考えております。ただ,ふっこう周遊割などの効果から,県外からの観光客数は対前年で12万8000人増加しています。 次に,本市の総観光客数については,路線バス,高速バスなどの交通機関や高速道路の利用者数の対前年比率を観光客数の伸び率とみなし,前年の総観光客数に乗じて推計をしています。 なお,2021年令和3年の目標の800万人については,市内,市外,県外からの観光客数のそれぞれ過去最高の値を合計をして目標人数としています。 観光消費額については,宿泊,日帰り別の目標は定めていませんが,1人当たりの観光消費額について,2015年平成27年時点での4422円から約3%アップの4575円を目標に掲げています。この達成のためには,入り込み観光客数の増加,そして宿泊客の増加が有効であると考えています。 なお,こうした観光客に関するデータは,県内各自治体がさまざまな調査手法で推計をしています。現在,県においては,各自治体の調査手法や推計方法の統一化を検討しています。本市においてもこれにあわせて,より実態に即した数値の把握,手法に努めてまいります。 次に,観光イベントについてであります。 鞆の浦にはさまざまなイベントがあり,地域住民や行政などで構成する実行委員会が企画や運営を行っています。直近5年間の観客数の推移ですが,鞆の浦弁天島花火大会が増加傾向にある一方で,鞆の浦観光鯛網や日韓トップ囲碁対局は横ばい,そして鞆町並ひな祭は,同様のイベントが他の地域でも開催されることもあってか,来場者数が年々減少しています。 今後につきましては,鞆の津八朔の馬出しや鞆の浦観光鯛網などは,日本遺産魅力発信事業とも連携をとりながら,SNSや動画共有サイトユーチューブなどさまざまな媒体を活用して,その伝統文化の魅力を発信してまいります。 次に,日本遺産認定事業についてであります。 昨年度は,情報発信としてPR動画やロゴの作成などに約1600万円,人材育成としてガイド養成などに約500万円,普及啓発として食の魅力発信イベントなどに約500万円,また未指定文化財の調査などに約900万円,合計で約3500万円の事業を実施いたしました。今年度は,昨年度の人材育成などの事業を継続するとともに,新たに情報発信としてホームページの開設や,普及啓発としては大学と連携した講座の開催,PRグッズの製作などに取り組むこととしており,それぞれの事業費は情報発信約1200万円,人材育成約500万円,普及啓発約300万円,合計で約2000万円としています。 成果ですが,PR動画の活用などにより多くの方に鞆の魅力を感じていただいていること,ガイド養成講座により受け入れ体制が充実してきていることであり,一方の課題としては,観光用トイレの整備,多言語対応などの受け入れ環境整備と考えています。 次に,鞆の浦歴史民俗資料館についてであります。 資料館では,これまでも屋根や空調整備の改修などを計画的に実施してきました。また,伝統行事や鞆にゆかりの深い人物などの展示を行っていますが,入館者数は減少傾向にあります。今後は,日本遺産の取り組みなどと連携し,その魅力を伝える努力をさらにしてまいります。 次に,修理,修景に伴う申請についてお尋ねがありました。 これまでは,随時市へ申請していただいていましたが,選定後は原則事業実施予定の前年度に国へ申請することになります。こうした町並み保存制度の仕組みや申請の流れの変更については,これまでもさまざまな機会を通じて周知を図ってきました。 課題としては,古い建築に精通した設計士が不足しているため,申請に時間を要することなどであります。建築士会等と連携して,講習会などにより設計士の育成を行っています。 次に,町並み保存拠点施設整備についてであります。 この施設は,にぎわいの拠点を図るとともに,町並み保存の推進や鞆地区の活性化のために整備をするものです。 そのため,修理,修景の相談窓口,鞆の歴史,文化や日本遺産を紹介するスペース,住民や観光客が交流できる多目的スペース,そしてトイレや調乳室等を配置することとしており,来年度着工し,2021年度令和3年度の完成を目指しています。 次に,鞆防災広場整備事業についてであります。 伝建地区及びその周辺地区は,道路が狭く,災害に対して極めて脆弱な地域であることから,鞆防災広場を整備することとしていました。しかし,昨年度,伝建審議会から防災広場予定地内にある木造2階建て建築物は伝統的建造物として保存すべきとの評価が出されたため,予算の執行を見送りました。 ことしの元旦に,伝建地区内で家屋火災が発生した際には,地元から火災に対する不安の声が上がり,改めて市としては防災広場の整備を急ぐ必要があると考えています。このため,今年度から2年間で,地元や文化庁等の関係機関と一緒に伝建地区を中心とした鞆町の防災計画を策定し,この中で防災広場のあり方を位置づけ,鞆防災広場整備事業を再開していきたいと考えています。 次に,広島県の事業についてであります。 まず,山側トンネルにつきましては,現在県において調査設計を行っています。今後,事業内容について地元の御理解をいただきながら,来年度から用地交渉に入り,2023年度令和5年度の完成を目指して工事に着手の予定と聞いています。 次に,東西交通・交流拠点については,町なかへ入ってくる観光交通等を抑制するとともに観光による地域の活性化を図るために,鞆町の東側と西側に駐車場やバスの乗降場等を整備するものであります。完成時期については,今後地元と協議をしてまいります。 これらの事業の整備により,下水道事業の普及や路線バスの定時性及び緊急車両の速達性の確保等による住環境の向上と安心・安全な地域の実現が図られると考えています。また,観光面においては,アクセスが向上することにより観光誘客の強化につながるものとも考えています。さらに,大型バスによる沼隈半島周遊が可能となり,新たな観光ルートの開発など,本市南部地域のより一層の活性化に資するものと期待をしています。 次に,鞆・一口町方衆応援プロジェクトについてであります。 寄附募集は県と市がともに呼びかけを行っており,9月8日現在で約328万円の寄附が集まりました。今後,企業版ふるさと納税の活用も図っていきます。使い道については,歴史的建造物保存活用資格者であるヘリテージマネジャーの育成などの鞆の町並み保存や歴史的な景観保全に係る取り組みや,伝統行事の用具の修理修繕補助などの鞆の伝統文化を継承していくための取り組みへの活用を予定しています。 次に,福山市鞆町歴史的町並み保存基金についてであります。 この基金は,市が積み立てた3億円と広島県から交付された5億円を原資として町並み保存の修理・修景事業を進めるものであります。2018年度平成30年度までに,修理97件,修景21件の補助事業を行いました。2019年平成31年3月末時点で,基金の残高は約5億円となっています。重伝建選定に伴い,2019年度令和元年度から市の補助に対し国から2分の1の補助がなされるため,修理・修景事業の一層の推進につながると受けとめています。 次に,鞆のまちづくりにおける本市の役割についてであります。 鞆では,山側トンネル等の県の事業と並行して,伝建地区の町並み保存や日本遺産,観光振興等,多くの事業を実施しています。本市は,まちづくりビジョンの趣旨を踏まえ,県とも十分に連携をしてそれぞれの事業を着実に実施してまいりたいと考えています。 次に,駅前再整備についてであります。 まず,ウォーカブル推進都市は,多様な人材の交流を促進し,イノベーションや新たなつながりを創出する都市の構築に向け,居心地がよく歩きたくなる空間形成や官民の人材が集うまちづくりやコミュニティーづくりを推進するため,国に賛同した都市が連携をし,先進事例などの知見を共有しながら新たな施策の検討を進めていくものであります。 次に,本市が賛同した理由ですが,ウォーカブル推進都市制度の目的が,歩いて楽しい歩行空間の形成や志を持ってまちを変えていく人材育成など,駅前再生ビジョンの考えと一致するためであります。 次に,国とのパートナーとしてのかかわり方についてであります。既に,国にはデザイン会議に参加をしていただいております。今後,国がウォーカブル推進都市制度における具体的な支援内容を検討される際に,本市の駅前再生の取り組みを参考にしていただくことを希望しています。また,本市での取り組みの成果を今後の国の制度に反映していただく,こういう連携も考えていきたいと思っています。 次に,(仮称)デザイン計画への反映であります。今後,国の制度設計の動向や賛同都市との連携により得られた知見を踏まえて,(仮称)デザイン計画に積極的に反映してまいりたいと考えています。 以上で,稲葉議員の御質問に対する答弁といたします。 教育行政については,教育長から答弁をいたします。 (三好雅章教育長登壇) ◎教育長(三好雅章) 教育行政についてお答えいたします。 鞆の浦学園についてです。 初めに,新教科鞆学と外国語学習のこれまでの取り組み状況についてです。 新教科鞆学は,1学期に地元の保命酒店やデザイナー,鞆の浦歴史民俗資料館など14人の方々を外部講師として招き,指導や助言をいただきながら学習を進めてきました。特に後期課程においては,生徒が鞆の未来像を描きながら,防災のあり方や人口減少問題,魅力発信など自己のテーマを設定し,地域をめぐって調べたり解決策を考えたりする探究学習に取り組んでいます。 外国語学習は,1年生から4年生は専属のALT,外国語指導助手と担任,5年生からはALTと英語教科担当教員が授業を行い,各学年に応じた実践的な英語活動を行っています。また,子どもたちは,授業だけではなく,休憩や給食の時間など,日常的に英語でコミュニケーションを図ろうとする素地ができてきています。現在,9年生においては,ALTの母校の生徒と手紙によるやりとりも続けているところです。 次に,児童生徒,保護者,地域の現状や意見についてです。 児童生徒は,日常的な異学年交流により,上級生には下級生の手本になろうとする意識や優しさが見られ,下級生は上級生に対して憧れを抱くなど,相互によい効果が生まれています。そうした体験は,ふだんの生活においても,自分で役割を考えて行動したりさまざまな立場からの考えを大切にしたりする姿につながってきています。全校による運動会などの行事を通し,保護者や地域の皆さんからは,上級生が下級生を気にかけながら先に立って導いている様子が見られる,一緒に生活するようになって,今までよりもさらに心を合わせ,協力して頑張っているといった声を聞いています。 次に,指導面や学校運営面など,教職員が感じていることについてです。 教職員は,9年間で子どもたちを育成するという目標を共有して,前期・後期課程の授業を互いに参観する合同授業を実施し,活発な協議を行ったり日常的に子どもたちの姿や成長について交流したりしています。1学期の終わりには,教職員がみずからのアイデアで前期・後期課程で別々であった職員室の席を一緒にするなど,教職員の連帯をさらに強め,一体感が高まってきています。 次に,児童生徒,保護者が鞆の浦学園を選択した主な理由については,小中一貫教育の中で,地域の歴史や文化を多く学ぶことができたり,実践的な外国語学習ができるから,主体的に学び,実践する力を育むことに力を注いでいるから,学校説明会に参加したときの印象がよかったからなどでした。 次に,グラウンドの使用についてです。放課後は,前期課程の児童を中心に鞆の浦学園のグラウンドを使用することとし,野球部とソフトテニス部の活動は旧鞆中学校のグラウンドで行っており,敷地の有効活用を図っています。 なお,旧鞆中学校への生徒の移動は,各部に配置した部活動指導員が部活動用車両で送迎しています。 次に,鞆の浦学園の将来像についてです。 鞆の浦学園は,本市初の義務教育学校として,9年間のつながりを大切にし,自分のペースで課題を見つけたり時間をかけて粘り強くチャレンジしたりできる子ども主体の学びづくりに取り組んでいるところです。福山100NEN教育をリードする学校として,創造,協働,挑戦の3つの教育理念に沿って,ふるさと鞆,福山を愛し,心身ともにたくましく意欲を持って主体的に学ぶ子どもを育ててまいります。 以上,教育行政の答弁といたします。 ◆34番(稲葉誠一郎) 御答弁をいただいたんで,再質問,また要望をさせていただきたいと思います。 最初に,税の収納方法でございますが,今までいろんな取り組みをされて収納率も90%を超えるいい数字を出しておられるんだろうと思うんですが,収納しやすさということでコンビニ納付と口座振替をされとりますが,これの利用状況,納付金額,納付件数の何%ぐらいを占めるのか。それと,口座振替は手数料は要らないのかもわからないですが,コンビニ納付の場合は,手数料はどれぐらいかかってるんでしょうか。 ◎税務部長(岡田修) 口座振替とコンビニ納付の利用状況でございますが,前年度実績でございますが,口座振替は件数ベースで30.5%,それからコンビニ納付は40.2%でございます。 また,手数料でございますが,先ほど議員は口座振替は要らないんではないかとおっしゃられたんですが,口座振替につきましても,実は1件当たり,ゆうちょ銀行で10円,それからその他の金融機関で9.53円プラス消費税ということで,コンビニ納付につきましては1件につきまして55円と消費税ということになっております。これは,市のほうで負担をしております。 以上です。 ◆34番(稲葉誠一郎) もう一回,ちょっと教えてもらいたいんですけど,30.5%と40.2%というのは,件数が30.5%で金額が40.2%ということですか。これが口座振替とコンビニを足したら70%ということになってしまうんですが,ちょっともう一回その数字を教えてください。 ◎税務部長(岡田修) 件数でございます。件数が口座振替が全体の件数の30.5%,それからコンビニでの納付件数が40.2%ですから,全体で70.7%が口座振替とコンビニでの納付,残り約30%が銀行の窓口であるとか市役所の窓口ということになっております。 以上です。 ◆34番(稲葉誠一郎) そんなにたくさんこれを利用されてるんですね。僕は,もうちょっと低いんかと思うとったんで,済いません。70%を超える方がこの納付方法ということですが,実はうちの会派で宇部市へ視察に行ってきました。そこは,スマホで納税できるというペイビーというシステムを導入されとるからということで,これを提案させてもらおうかなあと思ったんですが,福山市も来年度からされるということです。ここのペイビーというのは1件当たり60円の手数料がかかるということだったんですが,来年始められるクレジット納付,インターネットバンキングは,それぞれ手数料はどれぐらいかかる予定なんでしょうか。 ◎税務部長(岡田修) クレジット納付とインターネットバンキングの手数料ということでございます。クレジット納付でございますが,1万円につき100円の手数料が必要でございます。それから,インターネットバンキングは,こちらは1件につき100円を予定しておるところでございます。 以上です。 ◆34番(稲葉誠一郎) もう一点聞き忘れたんですが,この手数料はどちらが。クレジットカードの場合,1万円につき100円ということは,10万円払えば1000円,20万円払えば2000円の手数料がかかるようになるんですよね。この手数料というのは行政と納付者が分けるのか,それとも行政側が負担するのか,支払う側が負担するのか。相当高額な手数料になると思うんですが,どういう割合になるんでしょうか。 ◎税務部長(岡田修) 手数料でございますが,この負担は納税者にお願いすることを予定しております。クレジット納付によりますと,ポイントがつくクレジットカードがあれば,そのようなもので負担は軽減されるものだというふうに考えております。 以上です。 ◆34番(稲葉誠一郎) クレジットカードの場合は,私もたまにクレジットで支払いすることがあるんですけど,現金で払うても,クレジットカードで払うても,大体食べ物屋とかそういうところで,ゴルフ場でも払うたら手数料はかからないんです。 税の場合は,コンビニ納付なんかはわかるんですが,クレジットカードも決定ならしょうがないんですけど,この辺をちょっと考えてみたらどうかなあという気がするんですが。 それと限度額ですが,宇部市の場合は限度額が30万円ということでした。納期ごとの納付の場合はどうされるのかということを聞き忘れたんですが,福山の場合は限度額の設定をどうされるのか,それと納期ごとの納付についてはどういう扱いをされるんでしょうか。 ◎税務部長(岡田修) 限度額についてでございますが,支払い可能な金額ということで,実はコンビニ納付を今行っておりますが,それの上限額が30万円となっております。それには納税通知書にバーコードが印字されとるわけなんですが,それを今後のインターネットバンキングも,それからクレジット納付もバーコードを使用することになりますので,同じように上限は30万円ということになります。 それから,期別ごとの納付につきましては,口座振替のように一度登録すれば毎回引き落とされるというものではなく,毎回納期ごとに手続が必要となるものでございます。 以上です。 ◆34番(稲葉誠一郎) 限度額が30万円ということですが,納期ごとに引き落とされるということは,固定資産税なんかでいうと1回30万円,4期に分けたら最大120万円まではこれで払われるという理解でいいんですか。 もう一つは領収書の発行なんですが,個人事業主の方なんかは領収書が必要になってくる場合があるんだろうと思うんです。宇部市でもこれ聞いたんですが,領収書を発行しておりませんと,今まで検討したこともないということなんですが,領収書が必要な方に対して,福山市は領収書を発行するようなことができるんでしょうか。 ◎税務部長(岡田修) 福山市も同じように,領収書は発行できません。もちろん,クレジット納付も,それからインターネットバンキングも両方,領収書は発行できません。利用明細書で取引内容の確認はできると考えておりますけど,事業されている人という方なんかで,どうしても領収書が必要だという場合におきましては,金融機関かコンビニ,または市役所の窓口のほうで納付をお願いするしかないというふうに考えております。そのことを払った後であれをしたらいけないんで,納税通知書の封筒にお知らせのチラシを入れないといけないかなあということで今考えております。 以上です。 ◆34番(稲葉誠一郎) これは,市長の答弁でもありましたように,ほとんどの人がスマホを持って,今ごろは買い物するにしてもスマホでインターネットで買う人が多うなっとるということで,納税のしやすさを考えるのも一つの市民サービスじゃないかということで提案させていただこうと思ってこれは話させてもろうたんですが,領収書が発行できないということと手数料がかかるというのは,やっぱり市民にとってどれを選択するかというのは,それぞれ合った選択をしていただかにゃあいけんと思うんです。便利には納付できたけど手数料がたくさんかかったというたんじゃあ,市民の方のサービスにならんでしょうから,その辺は,この支払いをしたらこういう状況ですよ,領収書が要る方はこれじゃ領収書は発行できませんよということをきちっと明確に市民の方にお知らせをするように努力をして,収納率は高いと言いながらも,8600万円あるということですから,さらに納税のしやすさということも努力していただいて,滞納を減らしていただくように今後も努力していただきたいと思います。これは要望しておきます。 ○議長(早川佳行) 稲葉議員,ちょっといいですか,済いません。 15時34分,市内に大雨警報が発令されました。そのため,杉野副市長が本部対応として議場を退席し,本部のほうへ行かれ対応されるということでございますので,御理解と御協力をお願いしたいと思います。 済いません。どうぞ。 ◆34番(稲葉誠一郎) (続)災害対策ということで,大したことにならにゃあええと思うんですが,ちょうど災害対策の質問をしょうるときなんですが。 最初に復旧事業についてですが,国,県の事業はほとんど完成しとるということです。市の事業に対しても,6月に聞いとった件数からいうたら200件以上も工事発注なり完成なりしとるんですかね。大きい橋なんかの市民生活に直結したところが年度をまたぐというようなお話もありました。 私も市内をいろいろ回っておりまして,ここまだ橋ができてないなあとか,回り道をせにゃあいけんなあとか,山を見ようたら,まだ崩れとるなあというところがあります。なるべく早く復旧工事を完了していただくように努力していただくということで,要望させていただきます。 次に,浸水対策についてですが,浸水被害に遭われて対策の説明を受けた地域の方というのは,大変関心が高い方がおられます。やっぱり,ネットに詳しい方は,ホームページを見たよということで,工程表に基づいた進捗状況がホームページにアップをされとんですよね。このホームページを気にして見られとる方がおられるようなんですが,これはどれぐらいのスパンでアップされるのか,きちっと進捗状況を随時アップしていかれるのかどうかということと,学区に説明会をされましたね,5月,6月。これも,今後の工事の進捗状況なんか,我々議員もそれぞれの地域で情報提供には協力していかにゃあいけんと思うんですが,説明会の開催なんかをどういうスパンで考えておられるんでしょうか。 ◎土木部長(市川清登) 浸水対策にかかわる全体の進捗状況の報告,あるいは市民の皆様への御説明をどのように考えてるかといった御質問でございます。 浸水対策につきましては,国,県,市,改良区などの事業が全体で相当数ございます。具体的に市民の皆様には,本年の5月末から6月末にかけて,36学区,合計27回,800名の御参加をいただく中で御説明をさせていただきました。 今後につきましては,それぞれの事業が設計段階のもの,実施段階のもの,さまざまございます。国,県,市,さまざまございます。そういった対策内容の状況に応じて随時,常に地域の方に設計の進捗の中身でありますとか御相談でありますとか,工事を実施してるものにつきましては工事の着手の御案内でありますとか,個別具体に動いていってるような状況でございます。今後も引き続き,そういった御説明は丁寧に進めていきたいというふうに考えております。 全体のフォローアップの,浸水対策の全体の更新というか,集計につきましては,毎年度出水期前に浸水対策協議会,その事前の幹事会,ワーキング等を開きまして,全体をしっかり集約する中で全体の進捗を更新しまして,議会のほう,それから市民の皆様,あるいはいろいろな広報等を通じて,進捗のほうをお知らせしていきたいというふうに考えております。 また,全体の進捗状況の説明会につきましても,学区単位でやらせていただきましたけども,全体の状況をまた説明してほしいということがあれば,ぜひ,出向いていって全体の中身についても御説明させていただきたいと,これについても逐次対応していきたいと思っております。 以上でございます。 ◆34番(稲葉誠一郎) 皆さん気にしとってですから,情報提供は随時お願いしたいと思います。 それと,予定どおり進んどるということなんですが,手城川流域で雨水貯留施設,来年度の出水期までに完成するという予定になっております。これがまだ計画中かどうかわかりませんが,まだ一向に何も示されておりません。1万立米ということは50メートルプール2つ分ぐらいになるんですか。相当大きい施設になると思うんです。今,設計上の段階で間に合うんかどうかわかりませんけど,必ず来年の梅雨までには間に合わせていただくように,これは要望させていただきたいと思います。 次は,時間がないんで,ちょっと飛び飛びに行かせてもらいますが,防災関連の出前講座についてですが,22件について,これは福祉総務課が多分担当してやられとるんだと思うんですが,44件,防災リーダーの方が講習をされたということです。先日もテレビで防災担当部長が防災大学の開校式で挨拶をしとるのが出ておりまして,防災リーダーを育てておられるのはすばらしいことだろうと思うんですが,防災リーダーの方が講演されるのは,どういう内容をどこら辺まで講演をしてんでしょうか。 ◎防災担当部長(片岡伸夫) 防災リーダーが行っている講座の内容についての御質問でございます。 防災に関する内容といたしまして,これは地域,依頼者のほうから希望された内容を基本に実施しており,その内容に対応可能な防災リーダーを派遣しているところです。 講座の内容といたしましては,豪雨災害や地震,津波など災害に応じたふだんからの備えや発災時の避難行動などのほかに,防災マップの作成のためのワークショップであったり,地域で避難所を設置する際の留意点など,自主防災組織向けの研修となっております。また,マイタイムラインの作成方法など,各家庭での備えについても,また高齢者向け,子育て世代,障害者などを対象に限定した内容など,さまざま対応してるところでございます。 以上でございます。 ◆34番(稲葉誠一郎) 防災リーダーも,初心者の方もおられるし,内容をよく理解した方もおられるんだろうと思うんですが,実は浜松市へ視察に行ってまいりました。浜松市は政令指定都市ですから,区に分かれておるんです。その区別に沿岸部の南海トラフの地震に備えなければいけない区域と,山間部の津波は余り関係ないけど,水害とか土砂災害に備えにゃいけん地域というのは違う講習メニューを各区でつくって,その専門知識を持った方が出前講座という形で,相当の件数で市民の方に呼ばれて対応されとるらしいんです。 福山市も同じように,例えば新涯,曙,手城のように,水害は余りないけど地震があったりとか津波,また堤防の決壊などで避難せにゃあいけんのに備えるところと芦田川が決壊したときに備えるところ,加茂,駅家のように,津波はないけど防災ため池で避難をせにゃあいけんところ,それぞれの地域で起こり得る災害というのは違うと思うんです。だから,その地域で分けるのか町内のブロックで分けるのかは別として,ブロック別に災害が起こり得るところに専門の人を1人配置をして,その人がこの地域はこういう災害が起こる可能性があります,こういう災害が起こったところには,ここへ逃げりゃあええですよということを自主防災組織や自治連の人と連携をとって周知をするという担当の人をつけたらどうかと思うんです。 これは,今の危機管理防災課の職員の体制では無理でしょうから,すぐに返事はできんでしょうけど,やっぱり地域の要望としても,例えば避難ビルをお願いに行くとしても,地元の人が行っただけでは,このビルは耐震強度が足りとるんか,足りとらんかということも判断できない。もう少し行政と直結してそういう知識のある人が1人でもブロックについてくれたら,やりやすいなあと。 もう一つは,周囲の方が一生懸命頑張って,浜松でもそうらしいですけど,防災マップみたいなのをつくっとるのを出前講座のときに持ってきてくださいというてお願いしても,せっかくつくった防災マップがどこに行ったかわからんという人が多いらしいです。やっぱりそれぐらい市民の方は関心がないし,自治連の人も,いつも集まる役員はそういう意識を持ってますから同じ人が同じ話を聞く。本当に聞いてもらいたい人に声かけをしようとしても,町内会だけじゃなかなか集めるのは難しいよと,やっぱり行政のほうも協力してくれる人をつけてくれたらなあということをよく聞くんです。これは,人の配置ですから,きょうすぐに返事はできんと思いますんで要望しときますけど,真剣にこれは検討していただきたいと思います。 次に鞆の問題ですが,観光客数の把握ということで答えていただきました。11項目で鞆の観光客数を対比をしとるということなんですが,もう単純に言うて200万人が鞆へ観光客が来られとるという計算をしとりますけど,僕は200万人というのはちょっと多過ぎるんじゃないかなあと思うんです。 主催者というのは,ちょっとでも多いほうがええというのは,僕も主催したときはわかりますから,観光客数をちょっとふやしたいなあというのはわかるんですが,もう少し実態に合った観光客数を出す努力をしていただいたほうが,今後の鞆を本当に観光地としてやっていこうと思うなら必要なことだろうと思うんで,これもちょっと再度,早目に検討していただきたいと思います。 日本遺産の補助金のことで,おとついだったですか,部長の答弁で満足度で50代の方が食を満足しとるというような答弁をされたと思うんですが,僕は逆だと思うんです。アンケートのとり方はあるだろうと思うんですが,鞆の場合は,土曜日とか日曜日,休みの日はお客さんが多くて食べ物屋が足らんのです。だけど,平日は観光客が少ないから,商売を始めても全体としては商売が成り立たないということで,食べ物屋さんがオープンできない環境にあると思うんです。こういう実態があると思うんですが,この間の答弁と,どうですか,整合性,どう思うてですか。 ◎文化観光振興部長(小林仁志) 嗜好性調査での食の問題についてのお尋ねでございます。 先般申しました調査結果につきましては,少し詳しく御説明しますと,この地域外の方が瀬戸内海に,こちらの鞆に来られて満足度,地域外の方を対象とする部分で,食された場合に満足度が高かったという調査結果でございます。それは,そういう瀬戸内海の魚料理などの好みというものが合ったものと思うんですが,ただ議員おっしゃるように,そのことと今鞆に食せる場所が少ないという課題,これは別に存在している,これは確かだというふうに思っています。 議員おっしゃいましたように,私どもも,鞆地域でそういった営業活動をされる場合の課題としては,ウイークデーの観光客と,やはり祝日,休日等の観光客数に大きな差があるという課題がございます。私どもはこの課題につきましても認識をしておりまして,こういったウイークデーの課題を解決するために,シニア層やインバウンドなどにも力を入れて,そういったウイークデーの観光客数の向上を目指して,開業ができる環境,そういったものを整えていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ◆34番(稲葉誠一郎) わかりました。そういう受けとめをしていただいとるんならいいんですが,あの答弁だけを聞くと,鞆はもう食の文化は大丈夫だというような誤解を得てはいけないんで,よろしくお願いします。 もう一つには,トイレの話が出ました。トイレは2カ所整備されるということですが,前にも言いましたように,今スーパーでもそうですし,コンビニでもそうですし,高速道路のサービスエリアでも,もう洋式のウォシュレットというのが常識になっておりまして,そこも,きれいなトイレじゃないとお客さんは来ないようなことになっとると思うんです。 鞆が2カ所整備されるということですが,どういうトイレを整備をされるのか。その管理については,スーパーなんかじゃったら30分置きぐらいに担当者がチェックしましたという表を張っとるところもあるんです。スーパーなんかは社員の方がきちっと30分に1回清掃をされてきれいな状態で保てるんだろうと思うんですが,公衆トイレの場合はどういう管理の仕方をされようと思うんですか。きちっと清掃される方を配置できるんかどうか,その辺をちょっとお尋ねします。 ◎文化観光振興部長(小林仁志) トイレの管理のあり方についてのお尋ねでありました。 鞆の浦につきましても,やはり今課題で,議員おっしゃいましたように洋式化というものも大きな課題として進めております。洋式化については計画的に配置をして,おおむねこれを整備してきたところではございますけども,新しい施設につきましては,これに加えて温水洗浄便座のそういった機能も検討してまいりたいというふうに考えてはおります。 それから,一般的に公衆用トイレの今の清掃状況というのは,委託等をいたしまして週に数回の清掃をしているといった状況でございます。このたび整備しようとしておりますうち,拠点整備にしておりますトイレは,拠点施設と一体化をしておるために,もう少し細やかな注意ができるのではないかというふうに考えております。適切に皆さん清潔に使えるような管理に努めてまいりたいというように考えております。 以上であります。 ◆34番(稲葉誠一郎) 今言った食,トイレ,これはリピートにつながると思うんです。答弁をもらようると時間がなくなるんで,鞆の場合はリピート率が多分低いんだろうと思います。また来たいなあという観光地にするためには,食をどうするか,トイレをどうするかということは大きな課題だろうと思いますから,こういうことも真剣にこれから取り組んでいただきたいと思います。 次に,民俗資料館についてですが,随時整備をしていただいておりますが,周りの公園があります。これは文化課じゃなくて,公園の管轄だろうと思うんですが,木の伐採なんかをきちっとしていただいて,南側からは鞆の港の景色が見えるようになっております,四国に向いて。あそこへ上がった観光客の方は必ずあっちを向いて見たりするし,像があるんですが,春の海をつくった宮城道雄さんの像があるんです。そういうのがありますから,観光資源にはなると思うんです。 だから,その公園の整備をきちっとしていただくんと同時に,どうも電気の引き込み線が古くなって,これは保安協会からも早うかえてくれにゃあいけんよということも言われとるらしいです。これは,安全性からも,そういうことはきちっと早目に対応していただくように,これは要望しときますんでよろしくお願いします。 鞆の町並み保存についてもですが,これは説明会のときには余り持ち主の方からいろんな質問は出なんだということだったんですが,実は実際に保存の事業を開始しようとすると,来年度しようとしても予算がないから来年度は無理ですよとか,5センチの段でも,これは重伝建に合いませんから段をつくってもらっちゃいけんというようなこともあるらしいです。そういうこともちゃんと住民の方に説明をして,対応できるところはきちっと対応していただきたいと思います。 それで,鞆の町並み保存の中も空き家がたくさんあります。これは,町並みを守るためにも,観光客を呼び込むためにも,空き家をどうするかということですが,伏見町が使っとるようなリノベーション方式というのも一つの手だろうと思うんです。 所有者の方がこれから商売を始めるというノウハウを持っとる人は余りおりませんから,生かせない空き家というのは,これからもずうっと空き家になると思うんです。だから,旅館なんかは整備をされておりますが,何か商売ができるような,行政としてできるかどうかわかりませんけど,基金とか一口町方衆の予算を使って,改装費用の一部でも補助しますからやってくださいよというようなことも検討していただいたらと思いますんで,よろしくお願いいたします。これも要望にしときます。 それで次に,駅前再生ですが,先日の新聞で,伏見町が10店舗以上店ができたということで,町内会長ですか,喜んどるようなことも言われておりました。でも一方で,オープンされた方がこのままじゃ客のとり合いになるよということも出てました。これは,やっぱりお客さんをしっかり呼び込まにゃいけんということだろうと思うんです。宮通りとか久松通り,この辺は大分にぎわいを取り戻してきておりますけど,こういうところとの連携というのが必要になってくるんだろうと思うんですが,ウォーカブル推進都市になって,これは国の財政支援も期待できるということですが,福山市として今後どのような取り組みを考えておられるのか,これをちょっとお答えをいただきたいと思います。 ◎福山駅前再生推進部長(池田圭次) ウォーカブル推進都市として財政支援なども期待されるところなんですが,どのようにウォーカブル推進都市として国とかかわっていくかという御質問だと思います。 議員おっしゃいますように,国土交通省,これ都市局になるんですけれども,居心地がよく歩きたくなる町なかづくりということで,そういったことに向けてまちなかウォーカブル推進プログラムということを展開するように,次年度令和2年度の予算概算要求をすることとしております。 その公表された資料によりますと,これまで都市局がやってきた事業の拡充であるとか継続とかあるんですけれども,3点新規の事業を計画しておりまして,官民連携まちなか再生推進事業,これまだ詳細は今後検討するということでありますが,本市の福山駅前再生ビジョンを引用した上で,官民連携でそういった未来ビジョンであるとかアクションプログラムの策定,そういったものを想定して予算要求をしているところであります。 あと2つ,国交省の都市局予算要求しているまちなかリノベーション推進事業であるとか,まちなか公共空間活用支援事業,こういった新規の事業があるんですけれども,実は本市が一昨年から取り組んでいる事業,そういった取り組みと同じようなことになっております。 今後につきましては,本市の施策に必要な経費についての支援を国に動かすためにも,そういった観点も持ちながら,ウォーカブル推進都市としてしっかり国と連携してまいりたいと考えております。 以上であります。 ◆34番(稲葉誠一郎) ウォーカブル推進都市もしっかり利用してやっていただきたいんですが,実は,市長の言葉が先日の新聞に,収益の目があるかないかが明確でわかりやすい方向性を事業者や市民に示すことが大切だということを,書かれております。これは国に対しても,モデルになりたいという今まで市長が取り組んできた結果が出たことと,今後に対する強い思いだろうと思うんですが,これの具体的なものがあれば少しお聞かせいただきたいと思うんですが。 ◎福山駅前再生推進部長(池田圭次) 今後,また民間事業者が投資がしやすくなるような,そういったことに対する取り組みの御質問だと思います。 今本市が進めておりますのは,官民が連携して駅前再生に取り組んでおります。お互いで意思疎通をしながら,お互いに意見を出し合いながら進めておりますので,予見可能性でありますとか,そういったものを高めていって,お互いに駅前再生に取り組む意欲を持ちながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆34番(稲葉誠一郎) もう時間がありませんので,鞆も義務教育校として,いい話をいっぱい聞かせていただきました。 ただ,全ては子どもたちのためにということで教育長は努力をされとんですが,この義務教育学校,小中一貫校,イエナプラン校,いろんな政策というか,教育のシステムが今導入されようとしとるんです。どの地域がどれがええんかということを選択していかれるのかもわかりませんが,やはり子どもにとっていい教育環境をつくるのが一番だろうと思いますんで,今後ともそういう整備に向けて努力していただくことを要望いたしまして,私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) (34番稲葉誠一郎議員質問席を退席) ○議長(早川佳行) 総務局長。 ◎総務局長(小林巧平) 貴重なお時間を頂戴して申しわけございません。先ほど,15時34分に福山市に発令をされました大雨警報の浸水害の概要について,少しお時間を頂戴して御報告をさせていただきたいと思います。 体制は,現在注意第2体制ということで,技術班でありますとか消防,これらがパトロール等を実施をしておりますが,現在のところ被害の状況というのは入ってきておりません。 それから,河川の水位につきましても,現在氾濫警戒水位を超えるような河川は現在のところない。それから,土壌雨量指数につきましても,西部が高いところで70ということで,これもまだ現在は注意報レベルまでは達していないということで,雨の状況は福山の西部,尾道との境のあたりで強く降っているという状況でございます。この雨につきましては,今晩の9時ごろまでは注意が必要というところでありますが,今のところは土壌雨量,それから河川ともに警戒レベルまではいってないという状況でございます。 また,適宜何かありますれば御報告をさせていただきます。 済いません。続けての報告ですが,今現在,気象台からの情報ですけども,夕方5時ぐらいにはこの雨雲が切れるという情報が入っております。 以上であります。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(早川佳行) 次に,7番平松正人議員。 (7番平松正人議員登壇)(拍手) ◆7番(平松正人) 誠友会の平松正人です。一般質問を行います。 まず初めに,学区自主防災組織の活動についてお伺いいたします。 昨今,異常気象による豪雨災害,頻発する地震災害など甚大な被害の報道に触れる中,私たちはより一層の防災への心構えが重要だと実感しています。南海トラフ巨大地震を想定した被害を最小限にとどめるには,どの程度の備えが必要なのか想像ができませんが,家屋の倒壊,液状化による道路の陥没,津波の影響など,あらゆる情報を共有し,準備すべきことは何なのか,全市での取り組みが必要でしょう。 本市においても,防災,減災のために国土交通省や気象庁が公表されている豪雨や台風,地震等の災害シミュレーションを研究,研修され,想定される災害対策に取り組まれています。地域において命を守る行動が迅速かつ的確に行われるよう,自主防災体制の充実強化を学区自主防災組織の連携,協力のもとに進められています。 水害では,気象情報をもとに災害が起きる前の避難が重要であり,地震の場合は発災直後の安否確認や避難場所に誘導することが学区自主防災組織が担う役割の一つと理解しています。的確な避難行動につなげるためにも,地域の特性の中で具体的な支援内容を議論していくことが必要と考えます。特に,大きな地震が起これば,どこに避難すればよいのか,津波の心配はないのか,使える道路はどこなのか,災害情報が伝わらなければ大きな混乱を招きます。 本年5月に,地域と連携促進や防災体制の一層の充実強化を図ることを目的に,学区自治会,学区自主防災組織へ防災をテーマとした地域との意見交換会が開催され,平成30年7月豪雨の検証結果,新たな取り組み,防災重点ため池ハザードマップについて説明がありました。課題,改善策,今後の対応について具体の説明があり,学区自主防災組織がどのように行政とかかわり,学区自主防災組織の担う役割は何なのかを考えさせられる意見交換会でした。 また,意見交換会で説明された新たな取り組みとして,スマートフォンや携帯電話をお持ちでない方や高齢者などの早期に避難していただきたい方に,災害時の避難情報を固定電話にお知らせしますとの報告がありました。音声ガイダンスが一方的に流れるだけで,当事者からの避難支援の要請はできません。そこで,このサービスと個別計画での避難支援が連携できれば一人でも多くの方の早期の避難誘導ができると思いますが,御所見をお聞かせください。 昨年7月豪雨では避難場所が少ない,遠い,避難路が浸水したなどの課題が提起され,本年6月に更新された避難場所情報がホームページに掲載されています。避難勧告,避難指示情報が出された場合,公立小中学校,公共施設,民間企業等と連携をとられ,多くの指定避難場所が公表されます。この公表において評価すべき点は,さまざまな災害種別に避難場所での避難箇所や収容人数を示され,避難場所から避難所への移行など,避難誘導への手がかりがわかりやすく把握できることです。民間企業においては,許される条件下ではないと開設は難しいと臆測しますが,民間企業との連携は市民にとって非常に心強いものです。 しかしながら,これらの情報は学区自治会の一部の方しか周知されていないと感じています。ホームページ以外の周知に取り組んでいただきたいのですが,お考えがあればお聞かせください。 また,公立学校での避難場所開設には,学校施設管理協力者から自主防災組織が鍵を受け取り,開錠し開設するとありますが,災害状況や時間帯によっては鍵の受け取りや開錠が難しい状況が出てくるのではないかと危惧いたします。開錠に支障を起こさないための方法についてのお考えをお聞かせください。 また,避難場所の開錠者は開設時において市との連携をどのようにされるのか,お聞かせください。 地域によっては,自主避難場所を開設したほうが安全であると考える地域もあると思いますが,自主避難場所開設における留意点をお聞かせください。 また,避難場所へ避難する場合は,水,食料,衣類など最低でも2から3日分を持参することを自己責任と考えますが,自主開設した避難場所では必要物資の要請はできるのか,できるとなればどのように連絡するのか,お聞かせください。 また,国土交通省が公開している地点別浸水シミュレーションでは,芦田川の堤防が決壊した場合,中心市街地の浸水は3メートル以上になると言われています。浸水災害,地震災害等が起きた場合,本市の災害対策本部の立ち上げは何人体制で行われ,県,警察,消防等の連携はどのようにとられるのか,浸水被害,地震被害ごとの御所見をお示しください。 各学区自治会,町内会において,加入者の減少や主たる責任者の高齢化など,組織の縮小化が進んでいますが,学区自主防災組織の運営にも影響が出るのではないでしょうか。このような現状をどのように受けとめておられるのか,御所見をお聞かせください。 次に,史跡福山城跡保存活用計画についてお伺いいたします。 福山城は元和の時代に築城された城郭で,英知が結集され,完成度の高い城郭と言われています。また,城郭の石積みは高度な技術を持って完成され,美しい石積みの姿を見せています。 福山市歴史文化基本構想の関連文化財群の設定を一覧すると,築城と城下町の形成,福山の近世の記憶と遺産がテーマとされ,関連性の視点では福山市の都市の歴史,発展は築城と近世城下町を起源としており,築城,近世城下町を物語る有形無形の文化財が今に残るとあり,構成要素として福山城址に現存する建築物や城下町遺跡である入川,町割り,城背地域の寺社群などと記されています。 本市では,令和4年に福山城築城400年を迎えるに当たり,福山城跡の歴史的価値や魅力を継承するための整備計画,史跡福山城跡保存活用計画が平成30年に策定されました。当然,福山城築城400年事業への焦点を合わせたものと理解をしています。記念事業を通じて多くの人との交流が期待でき,これからの福山市の観光事業に寄与するものと期待しています。 史跡福山城跡保存活用計画では,福山城郭縄張り,町割り等,当時の図面を通じて示されています。特に,福山城郭縄張りは,大きく特徴もあり,市民の皆様が縄張りに興味を示していただくためにも,内堀,外堀を感じられる保存,活用を考えられてはいかがでしょうか。例えば,福山城西側へ内堀の一部を復元すれば福山城の魅力向上も期待できると思いますが,御所見をお聞かせください。 現在進められている整備では,令和3年を目途にインフラ整備,樹木の伐採,西側の石積みの復元等が計画的に行われています。樹木伐採は見ることで進捗状況はわかりますが,石垣整備では過去の資料を参考に調査に長い年月を必要とすると考えますが,現時点の進捗状況をお聞かせください。 また,福山城の特徴でもある23基の櫓を市民に周知していただくためにも,櫓跡の整備を本格的に進めていただきたいのですが,御所見をお聞かせください。 福山城北側の防備は,福山城築城時の時代背景を知る上で重要なことと思っています。福山城北側の保存,活用についての御所見をお聞かせください。 このたび,福山城天守を築城時の姿に一部復元されると発表されましたが,復元の具体をお聞かせください。 また,近世城下町がイメージできるものが町名や寺社配置以外に何があるのか,思い浮かばないくらい中心市街地も大きく変容しています。しかしながら,福山城北側に流れる吉津川は築城時の姿を残し現存していますが,吉津川は史跡福山城跡保存活用計画に含まれているのか,御所見をお聞かせください。 福山城南側と東側は貫禄を示し,西側と北側は防備のために隠れた機能を有している城郭と理解しています。 以上です。 (枝廣直幹市長登壇) ◎市長(枝廣直幹) 平松議員の御質問にお答えいたします。 初めに,学区自主防災組織の活動についてであります。 まず,音声ガイダンスと避難行動要支援者避難支援プラン,いわゆる個別計画との連携についてであります。 要支援者を災害から守るためには,いち早く情報を伝えること,そして要支援者を支援する体制の整備,この2つが基本であります。災害情報電話通報サービスの音声ガイダンスにより,携帯電話やスマートフォンを持たない要支援者がより早く避難情報を得ることは,自身の避難の準備や支援する人に連絡がとりやすくなります。このため,災害情報電話通報サービスの登録の拡大に積極的に努めてまいります。 また,支援を要する方のより安全な避難には,個別計画の作成が何より重要です。電話通報サービスの登録を進めていく中で,あわせて個別計画の作成に同意をいただけるよう説明してまいります。個別計画の中に,電話通報サービスの登録者であることや携帯電話を持っていないことなどが書き込まれることも意味のあることだと考えています。 現在,個別計画が全く作成されていない20学区に対しては,直接職員が出向き,個別計画の具体的な作成方法をお伝えするなどして作成を急ぎます。また,計画作成の同意が得られていない高齢者については,改めて民生委員が自力で避難できる方かどうかなどを調査した上で,早期の個別計画作成に向けて取り組みを進めてまいります。 次に,避難場所の情報提供についてであります。 避難場所については,土砂災害警戒区域等の指定などに合わせて適宜修正をし,一覧表については,ホームページへ掲載のほか,自治会への送付,本庁,支所,公民館等の窓口への設置とあわせ,防災ガイドブックを2017年度平成29年度には全戸配布をしています。また,福山市の避難場所や気象情報などが表示されている便利な防災アプリの全国避難所ガイドの活用などもあわせて周知してまいります。 次に,学校施設管理協力者からの鍵の受け渡しについて御質問がありました。 昨年7月豪雨を教訓に,職員の到着前に避難場所を迅速,確実に開錠できるよう,小中学校については自主防災組織の開錠を担当する3名が適宜学校施設管理協力者から鍵を借りて開錠することとしています。 次に,避難場所開設時における初動の連携についてであります。 本市と自主防災組織との間に昨年11月にホットラインを開設し,市への開設の連絡や気象情報の提供,要望の受け付けなど,互いの連携体制を構築をしております。 次に,自主避難場所開設における留意点であります。 予想される災害に対して安全な場所にある施設を開設すること,市との窓口となる責任者を決めていただくこと,ホットラインによる市への開設の連絡をいただくこと,市からの情報を避難場所で共有していただくことなどであろうかと思います。 次に,自主避難場所への物資の要請についてであります。 避難される場合は,水,食料などを持参していただくことを基本としています。よろしくお願いしたいと思います。状況によっては可能な範囲で物資を配送することとしており,その場合はホットラインを通じて市へ要請していただくこととなります。 次に,災害対策本部の体制についてであります。 大雨の場合は,大雨警報や予想降雨量などにより体制を段階的に拡大することにしています。大規模な浸水被害が発生するような状況にあっては,少なくとも職員1400人以上の非常体制を想定しています。 また,地震の場合は,初動体制としては,本庁,支所から2キロメートル以内に居住する約300人の職員がまず駆けつけて情報収集を行うことになります。また,震度に応じ,震度6弱以上の場合は職員約1400人から全員までの非常体制に移行する,そうしたことを想定しております。 関係機関との連絡については,災害対策本部に常駐する国や県,自衛隊,警察のリエゾンを通じて被害状況や道路情報などの把握を行い,必要な支援につなげていきます。状況に応じて自衛隊や国土交通省のテックフォース,警察の広域緊急援助隊の応援要請などの体制も構築をしていくことにしております。 次に,学区自治会,町内会の加入者減少による自主防災組織への影響についてであります。 自治会,町内会は,災害に備え,避難行動要支援者の避難支援プランの作成を行うなど,自主防災組織の主たる構成団体でもあります。そのため,自治会,町内会活動の担い手不足は大きな課題と考えています。 地域との意見交換会においても,自主防災組織役員の高齢化や人材不足のため,活動がなかなか進まない,また自治会未加入者が増加をし,避難行動要支援者を支援する人が不足しているなどの課題が提出されました。地域活動の担い手づくりについては,地域コミュニティのあり方検討委員会で現在検討をしています。 また,特に防災面の対応については,警察や消防など関係団体との間で避難の声かけや避難誘導の協力など,自主防災組織を支える体制を検討をしています。 次に,史跡福山城跡保存活用計画についてであります。 本市は,保存活用計画を定め,往時の福山城の価値を次世代へ継承していくための取り組みを進めています。内堀や外堀についても,これまでも福山駅周辺の石垣や堀など遺構の一部について部分的な復元や解説板,サイン表示の設置などを行ってきました。 なお,御指摘の福山城西側の内堀は,ふくやま美術館入り口にあるJRの官舎から駅の高架下に当たり,現在JRの敷地や構造物等と重複しているため,復元は困難と考えています。 次に,石垣の整備については,現在策定中の整備基本計画の中で検討を進めています。まずは基礎データを収集するため,昨年度,神辺二番櫓から三番櫓にかけての範囲を発掘調査しました。今年度は神辺一番櫓周辺の発掘調査を予定しており,それらの結果などを踏まえて整備計画を策定してまいります。 櫓跡の整備については,文化庁が定める史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準において,構造,規模,形式などに精度の高い根拠が求められることから,これまでも古い写真,古写真や絵図等の資料を収集してきました。しかし,復元にはさらに詳細な資料を必要とすることから,引き続き資料収集と調査研究を進める必要があります。 次に,福山城の北側は,小丸山や三蔵稲荷境内北側ののり面と堀切水路など,自然や地形を生かした防備が特徴であります。これらの遺構を保存,活用することが福山城の特徴を示すことにもなると考えています。 福山城天守外観の一部復元については,今回の耐震改修にあわせて北側の鉄板張りや格子の色を黒色に復元するなど,できる限り往時の姿に近づけていきたいと考えています。 また,吉津川は保存活用計画の対象範囲には含まれていませんが,福山城の構成要素として保存,活用が望まれる地域である城郭域周辺として分類をされています。 以上で,平松議員の御質問に対する答弁といたします。 ◆7番(平松正人) 丁寧な答弁をいただきました。 もう少し,自主防災,また福山城について具体の質問,また要望をさせていただきたいと思います。 まず,自主防災のほう,これは私の考えですけども,自分の命は自分で守るというのが基本的な考えだと思うんですけれども,やはり家族がいれば,その学区自主防災の組織,本当に感謝を申し上げたいような形で取り組んでいただいてる状況をよく理解をしております。私も今自分の住む場所で自主防災のほうへ取り組みをさせていただいておりまして,いかに自主防災が本当に的確に機能していくかというのを,今検証しながら会議を重ねております。 先日,そういった会議の中で,防災士の方を招聘しまして研修を受けました。7月豪雨の検証,そして防災への備え,そして浸水シミュレーション,駅前でそのシミュレーションを見ますと,どんどんどんどん水位が上がって,バスの天井近くまで上がった映像を確認をさせていただきました。そういう中で,本当に浸水の被害というのは短時間でかなりの水量が,浸水深が出るんだろうなあという,本当に恐怖を感じるほどでした。 あと,私が今ちょっと気になってる部分,本当に単純な質問なんですが,ここは海抜何メートルですよという表示をされていますが,この浸水深,深さと津波の高さとの関係,この海抜何メートルというのをどういうふうに理解すればいいのか,お聞かせください。 ◎防災担当部長(片岡伸夫) 海抜と津波の関係という御質問でございます。 まず,海抜については,東京湾の平均海面を海抜ゼロメートルとして基準を設け,それに対し海面の高さを示すものであります。 本市で想定されている津波3.3メートルにつきましては,年間で潮位が最も高いとき,これ海抜が約2.1メートルと言われております。このときに南海トラフ地震により本市で発生する津波の高さ,これが約1.2メートル,これが加わりまして海抜3.3メートルと想定されているものです。 以上でございます。 ◆7番(平松正人) ちょっとわかったようでわかってないんですけど,海抜というこの高さは,海抜が高いところと低いところを簡単に考えれば,低いほうが浸水深が高くなっていくというような状況が考えられるかと思いますけれども,津波への考え方というのは答弁いただきましたので,理解をさせていただきました。 例えば,浸水が3メーターぐらいになりますと,先日の真備の災害の状況におきましても,安全に行動ができるまでの浸水解消,これにかかる時間というのは,どれぐらいかかるんでしょうか。 ◎防災担当部長(片岡伸夫) 浸水が解消されるまでの時間ということの御質問でございます。 2017年度に,国のほうが芦田川の浸水想定区域の見直し等を行いました。その際に,あわせて洪水による各地域の浸水継続時間を地図上に示した情報も作成されております。これは,インターネット等で確認することができます。 浸水時には,停電や上下水道施設等の機能停止,こうしたことも考えられます。長時間浸水が続く地域にいる方は,特に水平避難等も必要になろうかと思います。浸水区域の想定区域とあわせて,浸水の継続時間など,これにつきましては一概には言われませんが,しっかりと各地域に応じた適切な避難行動につきまして周知を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆7番(平松正人) それくらい浸水すると,安全に行動できるまではある程度日数がかかるんだなあというのが想像ができます。そうしたことも含めて,自分が避難するときは,自分の責任において水,食料等を用意しておかないといけない。また,自宅にも備品として家族分はせめて用意をしていかないといけないという,そういう思いをいたしました。 こういった浸水が,発災時もそうなんですけども,状況確認ができる,できないというような判断もあるんでしょうけれども,消防への救護,救援の要請,これは相当数な119番の件数が出てくるかと思うんですけれども,消防本部として多くの通報への対応,そういったことについて緊急時の体制はどのようにしかれているのか,お聞かせください。 ◎消防担当部長(吉澤浩一) 大規模災害時の119番通報の殺到した場合の対応についてのお尋ねでございます。 消防局指令課では,119番通報の受信につきましては通常時6台の指令台で運用を行っております。しかし,大規模災害が発生,または予想される場合は職員の増員を図り,指令台を最大18台に切りかえ対応することとしています。昨年の7月豪雨では,多くの被害が集中いたしました6日から7日までの2日間で,これまでにない1544件の119番通報を受信し,対応いたしました。 なお,このときは9台の指令台で運用を行っております。 今後とも,大規模災害を想定し,最大18台での運用訓練をこれまでどおり実施し,錯綜します119番通報内容を的確に把握し,人命救助を最優先とする出動指示等,指令課職員の判断力,迅速な機器の取り扱い向上に努め,予測されます多数の119番通報の対応処理について万全の態勢で対応してまいります。 以上でございます。 ◆7番(平松正人) 万全の態勢ということで安心をさせていただきました。また,通報内容によってはトリアージいうんですか,優先順位いうんですか,そういったことも含めて対応されるということで,本当にありがたいことだと思います。 続きまして,こういった災害がある程度長く続くと避難所という問題になってくるかと思うんですけれども,例えば先日同期会で避難所運営ゲームというのを体験,研修させていただきました。かるたを順次読み上げていく中,いろんな方が避難所に来られ,当然外国の方,車椅子の方,車の方,そういった方一人一人に対応する,混乱する状況というのがそういったHUG,運営ゲームで勉強させていただく中,やはり避難所の運営に関しては,非常に役立った研修だったと思います。 そこで,避難所が開設された当該地域の自主防災組織の担う役割は何なのか,お聞かせください。 ◎防災担当部長(片岡伸夫) 自主防災組織の担う役割につきましては,災害時には地域でお互いに助け合う取り組みは大変に重要なことであり,これまで自助,共助ということで学区,地区,町内会などで計画の作成,自主避難訓練などの取り組み,こういったことを行うことが自主防災組織の担う役割にはなっております。日ごろから,いざというときにどう行動するのかということをしっかり考えておいていただく,こうした取り組みを地域ぐるみで行っていただく,こういった役割を担っているものであります。 以上でございます。 ◆7番(平松正人) 避難所で,避難される方が多くお見えになった折に,どなたがどういう指示を出して,どなたが的確な判断をするのか,そしてそこにはボランティアの方も当然いらっしゃるでしょうし,当然地域の自治会の関係者,そして自主防災組織,こういうのが必ずお手伝いに来ていただけるという,そういう状況だろうと思いますんで,そういった方たちがどなたの指示のもと動けばいいのか,これがHUGを勉強させていただいた一つの心得だったと思いますんで,どなたの指示を受けて避難所へかかわっていけばいいのか,どういったお手伝いができるのか,その指示をされる方というのはどういう方なんでしょう。 ◎防災担当部長(片岡伸夫) 避難所を運営するに当たりましての指示を誰がするのかといった御質問になるかと思います。 この避難所の運営につきましては,住民の皆さんが,これは主体的に考えていただく,こういったものにはなります。当然,行政といたしましても,状況に応じて一緒に連携する中で対応をしていきますが,まずは住民の中でしっかりとした体制づくりをする中で,避難所に避難されてくる方,これはそれぞれ地域の役員,こういったものを計画であらかじめ定めていただく中で,円滑に対応できるように日ごろからの取り組みが必要になろうかと思います。 以上となります。 ◎福祉部長兼福祉事務所長(梶山泰) 避難所の運営についてであります。 市の職員が避難所に配置ができる場合とできない場合がございます。できる場合についても,人数が限られておりますので,配置ができればそこの市の職員と一緒に地域の方と役割分担をしながらやっていくということになろうかと思いますが,大きな災害になりますと市の職員が避難所のほうへ配置ができない場合もありますので,そういったときには自主防災組織のほうで対応のほうをしていただくようになると思います。 以上です。 ◆7番(平松正人) ちょっと私の認識が違ってたのかと思うんですが,避難場所であればそういったことで対応できるんでしょうけども,いざ避難場所が指定されれば,指定場所には多く避難されて長期的な避難というのが私の認識ではあったんですけれども,そのあたりの認識は,私が間違っていたら間違ったでいいんですけれども,ちょっと御指摘をいただけませんでしょうか。 ◎福祉部長兼福祉事務所長(梶山泰) 避難場所と避難所の違いがあります。避難場所は短期間の避難ということになりますんで,通常市の職員のほうが,避難場所を市が開設したときに行って受け付けをしたり受け入れをさせていただくようになります。それが大きな災害ですと,例えば1週間とか1カ月とか長期の避難ということになりますと,避難場所から避難所へ変わってきます。 避難所も,先ほど言いましたけども,市内各地で避難所を開設をしてそこに多くの方が避難をされてくるということになると,市の職員が幾ら数名配置をされても,そこで全てができるわけではございません。そのあたりで,地域の自主防の方と調整をしながら,避難所の運営をしていくことになります。 以上です。 ◆7番(平松正人) そういう形で理解をさせていただきます。 ただ,あるところへ視察に行ったときには,社協の組織が中心になって避難場所の運営をされておったと,そういう報告もいただいております。 次に,それじゃ参ります。 水害の話ばっかりだったんですけれども,大きな地震が来ると,福山市内,昔からの歴史の中で液状化というのが非常に心配をされます。マップを見ても,結構広いエリアでの注意すべき液状化現象が起きるというふうにマップのほうにも記載されていますけれども,液状化が起きると,道路の陥没による車両の通行困難,電柱の傾きによる停電,水道管の破裂,ライフラインに大きな影響が予測されるんですけれども,実際こういう状況の中ではなかなか自主防災というのは機能しないんではないかと,そういう危惧をしてるんですけれども,発災して落ちついた状態では自主防災としての役割を担ってしっかり地域住民の方の救護,救援の仕事に役に立てるんだと思うんですけれども,本市におかれては,液状化現象についての備えというのはどういうふうに実際されているのか。 例えば,非常用の発電機であるとか,道路を渡る橋みたいなんですか,車,そういったものが用意されてるのかどうか,そこはちょっとお聞かせください。 ◎土木部長(市川清登) 液状化現象についてのお尋ねでございます。 道路等の公共の場で液状化が起こりますと,一般的にはライフラインの関係が,土が緩く摩擦がなくなって浮き上がるといった,マンホールが飛び出るといった,そういったライフラインの関係が支障を来していく,そして道路自体もゆがみが生じて,橋梁等もふぐあいが起こるといったことも想定されますけれども,各施設ごとに液状化対策について,重要施設については浮力防止の液状化対策も含めた施設,そういったことが起こらないような施設として設計がなされているものでございますが,全ての施設に対してではなく,重要施設について適宜更新時にそういった設計がなされていくといった扱いにはなっております。 以上でございます。 ◆7番(平松正人) 答弁をいただきまして,自主防災に関しては,本当に近所の方が近所の方を支援する,助けるという気持ち,向こう三軒両隣という昔ながらのことが本当に重要なのではないかなと。 確かに,いろんな支援,救済のための施策はたくさんする中,やはり目的はそういった施策を完成することではなく,その完成するまでの経緯の中で,近所の信頼をいただいて,そして近所の方に何かあったら助けますよ,助けてくださいと,そういった信頼をつくることが自主防災の大切な仕事なのかなと,そういうふうに実感をいたしました。
    ◎総務局長(小林巧平) 先ほどの避難場所の開設の体制ですけども,避難場所の開設につきましては,災害の場合に市からメール等で災害の状況を知らせてますけども,そのときに,ここは開きますよというふうに市が開く場所,これには職員が行って対応いたします。そうじゃなくて緊急の場合,地元で急遽,緊急で開いていただく,そういった自主開設の避難場所は,基本的にはまず自主防災の方で開設をしていただくというのが基本でございますので,そういったことで対応していただければというふうに考えておりますので,どうぞよろしくお願いします。 ◆7番(平松正人) それは,学校施設管理協力者から自主防が鍵を預かって開錠するということですね。それは発言はさせていただいてたんですけれども。 それじゃあ,福山城に関する保存活用計画について2~3,質問をさせていただきたいと思います。 なかなか私が思ってたほど,保存活用計画の対象範囲内に吉津川,蓮池が入るということで,なかなか,一部というような,地域という言い回しの中での理解をするしかしょうがないのかなあと思いながら,でも城郭をなす古い地図等々を参考にしますと,やはり北側には蓮池,吉津川,そして内堀,外堀,入川という,古い地図にはしっかりと城郭が記載されている中,そしてまた吉津川を中心に北側には社寺がずっと連なってる,そういった状況は今後指定範囲内ということで考えていただきたいと,これは要望とさせていただきます。 石垣の整備につきましては,本当に10年,15年,それ以上,私が生きているうちに完成する,姿が見れるかどうかわからないような長いスパンでの整備になるかと思いますが,石垣を整備する上で,やはりなかなかお城の石垣を整備する状況というのはふだん見ることができない,そういった状況の中で,ある程度の計画ができた段階で,工事が始まれば市民の皆様に石垣の整備の進捗状況を見学できるような形で考えていただきたいんですが,そのあたりはいかがお考えでしょうか。 ◎文化観光振興部長(小林仁志) 石垣復元に関するお尋ねでございました。 私どもも,石垣復元に向けまして今年度以降も調査を継続するとともに,いろんな地形調査や石垣の調査を進めてまいります。 今,御指摘がありました,工事が始まった上で,工事を見学できる工夫であるとか,そういったことができないかということについても,石垣に対する市民の理解や関心を高めるために有効な手段だというふうに思っております。工事が始まった段階で,こういったことについては検討してまいりたいというように思います。 以上であります。 ◆7番(平松正人) よろしくお願いをいたします。 続きまして,やはり福山城の遺構は,新幹線の工事であるとか,昭和40年代,経済発展に伴って大きく福山市のお城の周りというのが変容していったのかなあと。その間,マンションであるとか,ホテルであるとか,駅前の広場の整備等々で発掘調査,これをしっかりされているというふうに認識をしております。 実は,今後これから考えていただきたいんですけども,やはり内堀,外堀,入川の範囲を示す境界線や説明板,そういったものを徐々に設置をしていただけないのか。その設置する資料として,この発掘調査の写真であるとか,調書であるとか,そういったものが活用されるんではないかと,そういうふうに考えております。引き出しの中にずっとしまった発掘調査書ではなく,やはり表に出ていただいて,生きた発掘調査書になっていただきたいんですけれども,そのあたりの御所見をお聞かせください。 ◎文化観光振興部長(小林仁志) 内堀や外堀の範囲を示す境界線や説明板の設置といったようなお尋ねでございました。 今,部分的な再現であるとか説明板,サイン表示等を行っていますが,やはり全体像というのはなかなか見えにくいといった状況にはあると思います。そういった全体像が把握できる説明板の設置については,市民がこれはわかりやすく受け入れやすいというふうに思いますので,基本計画策定の中で,こういったものも検討していきたいと思います。 また,発掘等の写真等も,そういったものも説明に加えてほしいということでありました。こういったことも,今までの調査結果ということで,市民の方々に講演会等のいろんな形を含めてどういうふうにお知らせするか,検討してまいりたいというふうに思います。 以上であります。 ◆7番(平松正人) その部分,本当に大切なことだと思っておりますので,前向きにお考えをいただきたいと思います。 続きまして,保存活用計画の中にあるストリートビュー,バーチャルリアリティーということで,文言の中には猫の目線,ハヤブサの目線とある中,そういったストリートビューというのは,多分姫路城でもされてる,QRコードをかざせば人物が出てきて鉄砲を撃ってるとか,そういうものが間近に見られるものだと思うんですけれども,そういった取り組みが保存活用計画,そしてまた以前私も天守から見える城下町のVRについて一応質問させていただいたことがあるんですけれども,築城400年に向けては必要な部分だろうとは感じているんですけれども,その進捗状況であるとか,内容であるとか,もしお答えできることがあればお聞かせください。 ◎文化観光振興部長(小林仁志) 保存活用計画の中では,今おっしゃいました猫やハヤブサの目線という表現で,地上や上空などの今までにないような視点からの福山城の眺望できる環境を整えてPRしていくことが必要であるというふうに認識しております。 築城400年事業として昨年度制作いたしました福山城のコンピューターグラフィックスをもとにしまして,バーチャルリアリティーとして活用することとしております。本年度中の完成,運用を目指して制作を現在進めております。そういった中で,いろんな角度から福山城を眺めることができるストリートビューについても検討しているところであります。 以上であります。 ◆7番(平松正人) よろしくお願いいたします。 最後に,ちょっと2点ほど要望させていただきます。 築城当時の姿,明治廃城前の姿ということになるかと思うんですけれども,天守ですか,本丸,4層目の屋根は檜皮ぶきというんですか,そういうもので本当に外から見た強さというものを示された屋根になっているので,そこを何とか復元に向かってやっていただきたいというのを希望いたします。 そしてもう一件,要望というのは,この福山城保存活用計画と(仮称)デザイン計画,福山の駅前のにぎわい,これは必ずリンクさせるべきだと,そういうふうに思っております。それも当然400年の記念事業がピークにならないような形で,401年,そして402年,405年と福山駅前がにぎわいが創出できるような保存活用計画であることを望みます。 以上で,私の質問を終わります。(拍手) (7番平松正人議員質問席を退席) ○議長(早川佳行) これをもちまして本日の質疑及び一般質問を終了いたします。 次は,29番池上文夫議員から行います。 ────────────────── ○議長(早川佳行) 次の本会議は,明9月12日午前10時から開きます。 ────────────────── ○議長(早川佳行) 本日は,これをもちまして散会いたします。          午後5時12分散会 ────────────────── 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。 福山市議会議長 福山市議会副議長 福山市議会議員 福山市議会議員...